Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

特別企画
特別企画4
結節性甲状腺腫診断基準をめぐって

(S302)

結節性甲状腺腫診断におけるB-modeの役割と限界

Clinical benefit and pitfall in US gray-scale imaging of thyroid nodular goiter

福成 信博

Nobuhiro FUKUNARI

昭和大学横浜市北部病院外科

Department of Surgery, Showa University, School of Medicine, Yokohama Northern Hospital

キーワード :

 体表臓器である甲状腺においては,高周波リニア探蝕子をもちいたデジタル超音波機器は極めて高い分解能を有し,微小病変も容易に検出可能となった.CTやMRIといった他のModalityに比べ,超音波のもつ質的診断能は優れており,今や甲状腺疾患の臨床面においてFirst choiceの画像診断といえる.従来から触診の重要性や穿刺吸引細胞診の適応およびその手技においても,超音波は大きくその局面を変化させてきた.また,頸動脈エコーの普及に伴い,無症候性の甲状腺結節が発見される機会も近年増加し,問題になることの多い微小病変の取り扱いに関しても基盤となるのは超音波診断である.この様な状況の下に利用されるべき診断基準は甲状腺を専門とする医師,検査技師のみならず,一般的な医療従事者にとっても理解しやすいものでなければならない.その為には基本的なB-mode診断の役割と限界を熟知する必要がある.ここでは形状,内部エコー,境界部エコーといった主たる超音波所見から典型的な悪性像を見逃さないポイントを主体とし,形状不整,充実性腫瘍におけるB-mode診断の限界について述べる.