Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

特別企画
特別企画2
肝腫瘍の超音波診断基準の検証

(S297)

門脈優位相における造影エコー撮像法の工夫 -Replenishment等-

Development of Contrast Ultrasound at Portal Phase

山田 昌彦

Masahiko YAMADA

東京医科大学消化器内科

Department of Gastroenterology and Hepatology, Tokyo Medical University

キーワード :

 本邦では2007年より第2世代の超音波であるソナゾイドが発売され,また,低音圧ハーモニック法を用いてソナゾイドのマイクロバブルを壊さずに画像を描出できる技術が開発され,1秒間に15フレーム程度のほぼリアルタイムの血流イメージを得ることが可能となった.はじめの頃はこのような超音波診断装置を用いて,vascular imageとKupffer imageを観察し,診断していた.ソナゾイドを静脈注射してから15秒程度で動脈相となり,30秒程度で門脈相となるが,この門脈相のとき,MI値1.0以上の高音圧送信を10〜50フレーム程度スキャンし,スキャンボリューム内のマイクロバブルを破壊することにより一掃する.その後,再び低音圧ハーモニック法で撮像すると,スキャンボリューム内に流れ込む新しいマイクロバブルを映像化することができる.この再灌流を用いた造影法はFlash Replenishment Imaging (FRI)と呼ばれている.さらに,FRIでマイクロバブル消失後の再灌流を画像化する際に,各ピクセルで最高に達した輝度を保持するMaximum Intensity Holding法を採用することによって,細い血管を連続性良く描画する方法がMicro Flow Imaging (MFI)である.MFIは東芝社製の超音波診断装置に搭載されているが,類似する方法が各社の超音波診断装置に搭載されており,GEではAccumulation,日立ではMicrobubble Trace Imaging (MTI),アロカではCapture Modeなどがある.中でも東芝社のMFIは,心拍や体動から生じる画像の劣化を防ぐため,体動をリアルタイムに補正できるImage Stabilizerを同時に使用することができ,アーチファクトが軽減した明瞭な画像を得ることができるようになっている.このような門脈優位相における撮像法について,症例をまじえて報告する.