Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

ワークショップ
ワークショップ1
消化器疾患におけるInterventional Sonography

(S251)

Sonazoidを用いた造影超音波ガイド下ラジオ波焼灼術の有用性

Contrast enhanced harmonic US with Sonazoid in radiofrequency ablation therapy

南 康範

Yasunori MINAMI

近畿大学医学部消化器内科

Department of Gastroenterology and Hepatology, Kinki University School of Medicine

キーワード :

【背景】
肝癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)において,B-modeで描出が難しい結節の場合には穿刺に困難を伴う.当院では,B-modeで描出困難な肝癌結節に造影超音波ハーモニックイメージをガイドとしたRFAを行っており,その治療成績について報告する.
【方法】
2007年4月から2009年1月まで肝細胞癌局所再発52症例76結節に治療を行った.使用したRFA装置はCool-tip RF system,US装置はGE LOGIQ 7,造影超音波モードはCoded phase inversion (CPI)で静注用超音波造影剤Sonazoid(0.010mg/kg)を用いた.造影下穿刺の手技は,Sonazoid静注後post vascular phaseでのdefect像を同定しSonazoid再投与後に濃染した部位(Defect Re-perfusion image)をターゲットとしてラジオ波電極針を穿刺して焼灼を行った.
【結果】
男性35名,女性17名.肝細胞癌37名,転移性肝癌15名で平均腫瘍径1.6 ± 0.8cmであった.Post vascular phaseでのdefect像は96% (71/76)に認めた.また,平均治療session数は1.0回で,平均観察期間8.2ヶ月で局所再発を認めていない.
【結語】
Sonazoidを用いた造影超音波ではいわゆる「抜け染まり」によって腫瘍の視認性が向上した.造影超音波ガイド下ラジオ波焼灼術は,特にB-modeで同定困難な肝癌症例に効率の良い治療であると考えられた.