Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

パネルディスカッション
パネルディスカッション12
実地に役立つ心エコー

(S242)

左房粘液腫と大動脈弁乳頭状線維弾性腫を同時に有した症例

Heterogeneous Double Cardiac Tumor: Myxoma Concomitant with Papillary Fibroelastoma

相川 大, 渡辺 弘之

Masaru AIKAWA, Hiroyuki WATANABE

榊原記念病院循環器内科

Department of Cardiology, Sakakibara Heart Institute

キーワード :

 われわれは,リアルタイム3次元経食道心エコーが,心臓腫瘍の診断と治療方針決定に大きな役割を果たした症例を報告する.
 症例は多発性脳梗塞発症から2ヵ月が経過した74歳女性.塞栓源を検索していく経過でリアルタイム3次元経食道心エコーを行い,左房粘液腫および大動脈弁乳頭状線維弾性腫の診断に至った.有意な弁狭窄・逆流は認めず,心不全徴候もなかった.両腫瘍とも塞栓源になりうるが,とくに前者については3cm大,表面がゼラチン状で脆く凹凸を認め,腫瘍や表面の血栓が原因で塞栓症を生じやすいと考えた.早期の外科的摘出術が必要と判断し,診断翌日に腫瘍摘出術を施行,その後の経過は良好だった.粘液腫と乳頭状線維弾性腫を同時に有していたことも極めて稀なことであった.