福成 信博

Nobuhiro FUKUNARI

昭和大学横浜市北部病院外科

Department of Surgery, Showa University, School of Medicine, Yokohama Northern Hospital

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　甲状腺腫瘍性病変に対するAlternative therapyとしてエタノール局注療法（PEI）は広く臨床応用され，特にのう胞性病変に対してはその有用性が明らかとなってきた．一方，腫瘍内部に豊富な血流を認める症例や線維化の強い症例では，腫瘍縮小効果も十分ではない場合もあり，新たなThermal ablation therapyに期待が寄せられている．我々は肝腫瘍，乳癌などで臨床応用されているRadiofrequency Ablation（RFA）を甲状腺腫瘍性病変に対し導入し，その臨床研究を開始している．この様な治療法における最も危惧すべき合併症は反回神経に対する熱損傷であるが，焼灼範囲の正確な評価が安全でかつ，効果的な治療効果につながるものと考えている．
　現在，甲状腺RFA施行例：計16例（腺腫様甲状腺腫10例，機能性結節2例，バセドウ病1例，乳頭癌2例，乳頭癌術後LN再発1例）を経験しており，RFAのモニタリングとして，B-mode，ドプラ情報に加えてSonazoidによる造影USを施行している．1回投与量は被検者の体重あたり0.15ml/Kg/Bwの半量（通常60KgのPt.に対して0.45ml）をBolus injectionで投与．RFAのセッション終了後の造影にて腫瘍内部の濃染が残存する場合は，焼灼不十分として適宜RFAを追加した．SonazoidはRFA加療前の腫瘍部において十分に組織濃染効果が全例に認められ，RFA終了後は焼灼範囲に一致した欠損領域が容易に確認可能であった．
　甲状腺RFAにおける焼灼範囲の確認，観察にContrast USとしてのSonazoidは極めて有用であり，反回神経への熱損傷を回避し，十分な臨床的治療成績を上げるためには，欠くべからざるものと考えられた．