三谷 康二, 星山 彩子, 松永 　肇, 大黒 晴美, 貴田岡 正史

Kohji MITANI, Ayako HOSHIYAMA, Hajime MATSUNAGA, Harumi DAIKOKU, Masafumi KITAOKA

公立昭和病院内分泌・代謝内科

Showa General Hospital, Division of Endocrinology and Metabolism

キーワード :

【目的】
現在，肝腫瘤性病変の評価に適応が認められている超音波造影剤ソナゾイドだが，肝以外の臓器を対象とした超音波検査においても有用であるとする報告は数多い．我々は多施設共同研究に参加して，ソナゾイドを用いた副甲状腺の超音波検査を行っている．今回，二次性副甲状腺機能亢進症の治療方針の決定，及び経皮的エタノール注入療法（PEIT）の効果判定にソナゾイドがどの程度寄与するかを検討した．
【対象】
当院で超音波検査を行った二次性副甲状腺機能亢進症患者の中で，ソナゾイドを用いることに同意が得られた症例．
方法：上肢に確保した静脈ラインから0.015mL/kgのソナゾイドをワンショットで投与した．投与後から超音波診断装置（aplio XG，東芝メディカルシステムズ）を用いて腫大副甲状腺を観察した．
【結果】
パワードップラーでは血流が確認できなかった副甲状腺の内部にも，ソナゾイドの流入が明瞭に認められた．またそれにより周囲の組織との区別もより容易となった．PEITを施行した症例においては，エタノールを注入した部分にはソナゾイドの造影効果が見られなくなった．
【考察】
ソナゾイドを用いることにより腫大副甲状腺をより明確に同定できるようになった．またその活動性の程度を推定して，その症例にPEITが有効と考えられるかどうか，及びPEITをどの部位に実施するかを決定するのに有用であった．またPEIT後に再度ソナゾイド造影を行うことで，PEITが的確に実施できたのかどうかを判定することができた．