Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2010 - Vol.37

Vol.37 No.Supplement

シンポジウム
シンポジウム6
肝腫瘍の造影エコーの最先端(術中超音波含む)

(S158)

肝内胆管癌の造影エコー所見-病型による相違-

Contrasu-enhanced ultrasound findings of intrahepatic cholangiocarcinoma

斎藤 明子, 米田 有紀, 片桐 聡

Akiko SAITO, Yuki YONEDA, Satoshi KATAGIRI

東京女子医科大学 消化器病センター

Institute of Gastroenterology, Tokyo Women’s Medical University

キーワード :

肝内胆管癌は,各病型によりその病態が明らかに異なり,予後にも差がみられる.造影エコーは,病型の相違を明瞭に反映し得る検査法である.今回は肝内胆管癌の造影エコー所見について,病型別に検討した結果を報告する.
【方法】
対象は2000年以降の肝内胆管癌切除例のうち,造影エコーを施行した20例21病変(腫瘤形成型18病変,胆管浸潤型1病変,胆管内発育型2病変)である.造影法はレボビスト®1V溶解液 (300-400mg/ml) を自動注入器pulsar にて1ml/secで静注,ソナゾイド®は0.01mg/kgを用手的にone shotで静注した.注入直後から約40秒間,および1, 2, 3, 5分,更に10, 20 30分後に血流動態を観察した.装置および撮像条件は,前者Sequoia 512 (ADI),MI値1.7-1.9,5 frame/sec,後者Prosound α10 (ePHD),MI値0.2-0.36,13-15frame/secに設定した.
【結果】
腫瘤形成型のうち9病変に全体の染影像(whole tumor enhancement)を明瞭に認めたが,そのうち8病変までが細胆管細胞癌であった.辺縁のみ染影する病変(peripheral enhancement)でも,細胆管細胞癌の方が染影は明瞭であった.胆管浸潤型は1病変のみであるが,染影像は捉えられなかった.一方胆管内発育型は,2病変ともに腫瘍部が明瞭な染影を示し,1分でwash outされた.また,造影することにより,通常の超音波検査(非造影)と比較し,明らかに胆管内であることが確認できた.
【結論】
肝内胆管癌の造影エコー所見は,病型により染影像が異なる.造影エコーは,肝内胆管癌の病態を把握するのに有用な検査法と考える.