英文誌(2004-)
シンポジウム
シンポジウム2
3次元超音波診断の最前線
(S136)
三次元心エコー図法による弁膜症の定量評価
Quantitative Evaluation of Valvular Heart Disease by Three-dimensional Echocardiography
林田 晃寛
Akihiro HAYASHIDA
川崎医科大学 循環器内科
Cardiology, Kawasaki medical school
キーワード :
僧帽弁逆流症に対する手術は僧帽弁形成術が主流である.逸脱の部位によって,術前の手術方法を予測するだけでなく,形成術の成功率が高いかどうか判断を行い,その結果は,手術時期にも影響を与え得る.それらに対して,当科では2Dと3Dの経胸壁心エコー図,経食道心エコー図を駆使して逸脱部位の診断を術前に行い,実際の手術での逸脱部位と照らし合わせて診断精度を高めている.特に3D経食道心エコー図は,左房側からみた僧帽弁,すなわちsurgeon’s viewを提示することで,術前の情報を共有しやすくなった.フレームレートの関係で,3Dの動画のみでは正確な逸脱部位判定が難しい例も存在する.そのような場合は,3Dから任意の方向で2Dへ切り出しを行い,3Dガイド下の2D画像を作成し,正確な逸脱部位を知ることが出来る.この方法は,逸脱部位の正確な判定のみならず,2Dでの経食道心エコー図の画像を振り返ることによって,2D経食道心エコー図判読の技量を上げることにも寄与している.本シンポジウムでは,当科における僧帽弁形成術の術前術後一連の流れを,具体的な症例にそって提示を行い,僧帽弁形成術における3次元心エコー図の役割について論じたいと考えている.