Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般ポスター
体表:乳腺

(S516)

乳腺悪性リンパ腫の超音波像

Ultrasonography of malignant lymphoma of the breast

小松 誠

Makoto KOMATSU

相澤病院外科

Department of Surgery,Aizawa Hospital

キーワード :

比較的稀な,乳腺悪性リンパ腫2例の超音波像について報告する.
症例1は59歳,女性.右乳腺腫瘤を主訴とし,当科受診.超音波検査は,一見線維腺腫とも見える,紡錘型の低エコ-腫瘤と網目状の低エコ−域が混在しており,乳癌とは言い難いが,組織型の推測は不可能であった.マンモグラフィ検査は腫瘤(カテゴリ−3).MRI検査は線維腺腫疑い.PET検査は,SUVmax11.4の強い集積が見られ,悪性リンパ腫疑い.細胞診では確定診断が得られず,針生検の結果,Diffuse large B cell lymphomaの診断となった.症例2は66歳,女性.左乳腺腫瘤を主訴とし,当科受診.超音波検査は,存在の不規則な,非対称性の網目状の低エコ−域を認め,乳癌とは言い難いが,組織型の推測は不可能であった.マンモグラフィ検査は腫瘤(カテゴリ−3).MRI検査は充実腺管癌疑い.PET検査は,SUVmax28.5→delay39.8の強い集積見られ,悪性リンパ腫疑い.針生検の結果,Diffuse large B cell lymphomaの診断となった.
[考察]乳腺悪性リンパ腫の超音波像は,存在の不規則な,非対称性の網目状の低エコ−域を認め,乳癌とは言い難いが,組織型の推測は不可能であった.マンモグラフィ検査,MRI検査も積極的に悪性を疑わせる所見に乏しかった.PET検査では強い集積を認め,悪性リンパ腫を疑うことが可能であった.確定診断には,針生検が有用であった.