Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般ポスター
体表:甲状腺・その他

(S514)

超音波検査による口唇部腫瘤性病変の検討

Evaluaton of Ultrasonography for lip nodules

江島 堅一郎, 川嶋 祥史, 新井 嘉則, 本田 和也

Ken-ichiro EJIMA, Syoji KAWASHIMA, Yoshinori ARAI, Kazuya HONDA

日本大学歯学部歯科放射線学教室

School of Dentistry,Department of Oral and Maxillofacial Radiology,Nihon University

キーワード :

<緒言>
 口唇部に発生する腫瘤には,様々な形態を認め,ときにその診断に苦慮する場合がある.とくに小規模な病変はさらに精度を求められる結果となり,超音波診断として判然としないまま終了してしまうケースもある.
 本発表では,超音波診断を施行した口唇部の腫瘤性病変について,当施設のケースをまとめ,診断の有効性について検討したので報告する.
<対象および方法>
 対象は,最近2年間に,当病院歯科放射線科に来院し超音波検査を施行した,上下口唇部付近に腫瘤性病変を疑った40例とした.使用した装置は,Acuson Sequoia 512 (持田シーメンス)であり,周波数は8MHz, 11MHz, 13MHzを症例により適宜変更した.走査は,病変に対し横方向を主として行ったが,症例によっては縦方向の走査も行った.またBモードに加え,ほとんど症例でドップラモードも適用した.
<結果>
1,症例の多くは,嚢胞性疾患,血腫などであった.
2,内部が無エコーあるいは弱い低エコーを示した症例においても,多くは粘液嚢胞を疑い血管腫の例は少なかった.
3,その他の多くは,咬傷あるいは血腫などであった.
4,数例において,走査時の口唇の変形により病変が明瞭に描出できないものがあった.
<考察および結論>
 口唇に発生する腫瘤性病変は,大規模なものは希であり,多くは小規模あるいは微少なものが多い.これは口唇が比較的敏感な組織であり,微小な病変でも患者自身が気がつきやすい事によるものと思われる.
 本報告では,超音波検査がこのような口唇部腫瘤の診断に有効であることがわかり,また当施設における同病変の傾向を把握することができた.