Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般ポスター
体表:甲状腺・その他

(S513)

rhabdoid featuresを呈する甲状腺未分化癌の1例

The ultrasonogram of Anaplastic thyroid cancer with rhabdoid features

中野 恵一, 鈴木 眞一, 大河内 千代, 福島 俊彦, 竹之下 誠一

Keiichi NAKANO, Shinichi SUZUKI, Chiyo OOKOUCHI, Toshihiko FUKUSHIMA, Seiichi TAKENOSHITA

福島県立医科大学第2外科

Department of Surgery 2,Fukushima Medical University

キーワード :

甲状腺未分化癌は,固形癌の中でも最も予後不良な癌であり,予後の良好な甲状腺分化癌とはきわめて対称的である.当科,ならびに当科関連施設では,1998-2008年の10年間で15例の症例を経験している.甲状腺未分化癌に対しても,その診断や治療における超音波検査の果たす役割は大きい.
 今回我々は,aggressiveな経過をたどったrhabdoid featureを呈した甲状腺未分化癌症例を経験し,その詳細な臨床経過を超音波検査にて得ることができたので報告する.
 症例は50歳代女性である.2006年7月より頚部腫脹,頚部痛を自覚し,近医にて未分化癌疑いと診断され,2006年8月当科紹介初診した.超音波検査では甲状腺組織を置換するように硬い腫瘍の増殖を認め,CTでは気管狭窄偏位,多発性肺転移を認めた.超音波ガイド下に太針生検を施行し,未分化癌の診断となる.stage C症例であったため,化学療法を先行し,その後,手術療法,放射線療法など集学的な治療を行った.甲状腺近傍については,局所コントロール可能であったが,上咽頭への進展により,治療開始後10ヶ月で原病死した.剖検では,rhabdoid featureを有する甲状腺未分化癌の上咽頭への広範な進展が観察された.
 この症例の集学的な治療による変化を超音波像を中心に提示する.