Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般ポスター
産婦人科:産婦人科

(S505)

卵巣癌転移によるSister mary joseph noduleの2例

Two cases of Sister mary joseph nodule by ovarian cancer

歌野 健一1, 尾本 きよか2, 坂本 敦子1, 杉本 英治1

Kenichi UTANO1, Kiyoka OMOTO2, Atsuko SAKAMOTO1, Hideharu SUGIMOTO1

1自治医科大学放射線科, 2自治医科大学附属さいたま医療センター総合医学第一講座

1Radiology,Jichi medical university, 2clinical research,Jichi medical university saitama medical center

キーワード :

【背景】
Sister mary joseph nodule(SMJN)は様々な悪性腫瘍の臍転移の総称で,予後不良のサインと言われる.SMJNはしばしば原発巣に先だって見出され,病変が臍部にあるため生検が容易であり,その組織診が診断確定に役立つこともある.今回,卵巣癌によるSMJNの超音波所見が得られた2症例を経験したので報告する.

≪症例1≫ 66歳,女性.臍部腫瘤で発症し,生検にて診断された.超音波所見は,臍直下に2cmの扁平な低エコー腫瘤で,後方エコーは増強し,内部に点状エコーを認めた.CTやMRIでは臍部に腫瘤像を認めるのみであった.同部の病理組織学的所見は,腫瘤内に砂粒体が散在性に認められ,超音波所見に一致すると考えられた.

≪症例2≫ 81歳,女性.腹部膨満で発症,生検で卵巣癌と診断された.超音波所見は内部にhigh echo spotを伴う低エコー腫瘤で,後方エコーは軽度減弱し,内部に血流シグナルを認めた.CTおよびMRIでは臍腫瘤は同定できるものの内部の石灰化は指摘できなかった.高齢のため人工肛門を造設し,外来にて経過観察中である.

【結論】
卵巣癌に伴うSMJNの超音波所見は,内部の微細石灰化である砂粒体を反映して内部にhigh echo spotを見ることがあり,このことが同疾患の診断の一助になり得ると考えられた.