及川 純子, 黒田 英克, 及川 寛太, 葛西 和博, 三浦 義明, 滝川 康裕, 鈴木 一幸

Junko OIKAWA, Hidekatu KURODA, Kanta OIKAWA, Kazuhiro KASAI, Yoshiaki MIURA, Yasuhiro TAKIKAWA, Kazuyuki SUZUKI

岩手医科大学消化器肝臓内科

Department of Gastroenterology and Hepatology，Iwate Medical University

キーワード :

【背景】
肝細胞癌に対するラジオ波焼灼術（RFA）おいて，通常の超音波B-modeでは結節の境界が描出不良なため超音波ガイド下穿刺が困難となる例が存在し，またB-modeで腫瘍の描出が良好であっても栄養血管や血流の残存部位の同定は困難である．超音波造影剤Sonazoidが認可され，肝腫瘍の鑑別やびまん性疾患の診断に有用なだけでなく，長時間のKupffer Imageにより肝腫瘍治療支援としても期待されている．

【目的】
Sonazoidを用いた造影ガイド下RFAの有用性を明らかにする．

【方法】
対象はB-modeで描出不良でありCTで早期濃染し，後期相でwash-outされる典型的肝細胞癌39例42結節．超音波装置は東芝Aplioで，使用造影剤はSonazoid 0.01ml/kg．撮影方法はDefect Re-perfusion imagingで行い，造影モードはPulse Subtruction Low MI modeを用い，MI値0.2，Frame rate 15fps，Dynamic range 60-65dBに設定した．

【結果】
全症例中37例40結節においてKupffer Imageで長時間安定して明瞭に結節をdefectとして描出することが可能となり，Kupffer Imageガイド下穿刺が容易に行えた．また全肝をscanすることで術前に未指摘であった新結節が2例でKupffer defectとして検出され， Re-perfusion により濃染することで肝内転移巣と判断された．

【結語】
Sonazoidによる造影エコーガイド下RFAは，長時間の良好な造影効果を示し，特にB-modeで描出不良な結節に対するアシストとして有用であり，より安全で確実なRFAを施行することができる．