Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般ポスター
消化器:肝

(S495)

肝類上皮血管内皮腫の一例 超音波所見を中心に

A Case of Hepatic epithelioid hemangioendothelioma. Mainly on ultrasound findings.

伊集院 裕康1, 時任 大吾1, 厚地 伸彦1, 厚地 良彦1, 有馬 剛2, 高濱 哲也2, 通山 めぐみ3

Hiroyasu IJUIN1, daigo TOKITOU1, Nobuhiko ATUTI1, Yosihiko ATUTI1, Takesi ARIMA2, Tetuya TAKAHAMA2, Megumi TOORIYAMA3

1天陽会中央病院内科, 2天陽会中央病院外科, 3天陽会中央病院検査部

1Internal Medicine,Tenyoukai Chuo Hospital, 2Surgery,Tenyoukai Chuo Hospital, 3Clinical Laboratory,Tenyoukai Chuo Hospital

キーワード :

肝類上皮血管内皮腫(Hepatic epithelioid hemangioedothelioma)はまれな血管内皮系の腫瘍である. 今回,超音波検査にて特徴的な所見が得られた症例を経験したので報告する.
症例は19歳の男性. 現病歴. 職場の健診にて胸写にて異常陰影指摘され近医受診. CTにて胸部の多発性腫瘍および肝腫瘍を認め当院紹介となる. 生活歴 飲酒歴および煙草歴なし. 理学的には 異常なし. 採血にて肝腎機能異常なし. HBs-Ag HCV-Abともに陰性であった. また Ca19-9 CEA AFPともに陰性であった.
腹部エコーにて両葉に多発する低エコー結節認め,肝辺縁部を主体に多発していた(Fig. 1). また結節内に門脈が入り込んでいた.  肝表面の結節をリニアの高周波プローブにて観察すると内部に高輝度の点状エコーおよび腫瘍による肝被膜の陥凹所見を認めた(Fig. 2).
転移性肝癌 リンパ腫も否定できないと思われ肝生検を行なった.
肝生検上 瘢痕樣組織の中に線維芽細胞に類似した短紡錘形の腫瘍細胞を認め ひろい硝子化した間質内に散見されたことより肝類上皮血管内皮腫と診断された.
肝類上皮血管内皮腫は画像診断上 肝辺縁部に結節が多発し増大するに従い融合する. そして被膜直下に沿って進展し 石灰化を伴うことがあるとされている. また腫瘍による肝被膜の陥凹所見はcapsular retractionと呼ばれ肝類上皮血管内皮腫に特徴的とされている. それらの所見の多くは CT MRIにて報告されていることが多く超音波検査による報告は少ないので今回報告する.