Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般ポスター
消化器:消化管

(S489)

腹部超音波検査をきっかけに初診当日に確定診断に至った消化器癌の3例

3cases of gastric or colonic canser diagnosed by ultrasaund sonografic examination on the day of arrival

森 潔

Kiyoshi MORI

森クリニック内科

internal medicine, Mori-clinic

キーワード :

【はじめに】
腹部症状を主訴に来院された患者様のうち3例に腹部超音波検査に引き続く内視鏡検査にて,初診当日にほぼ確定診断のついた消化器癌3例(胃癌2例・大腸癌1例)を経験したので報告する.
【症例1】
78歳女性,背部痛・胃重感を主訴に来院,腹部超音波検査にて肝臓にハローを伴う多発結節と胃壁の肥厚・胃周囲リンパ節腫脹を認め,転移性肝腫瘍と判断し上部消化管内視鏡検査を施行.幽門前提部の進行胃癌であった.
【症例2】
68歳男性,左下腹痛を主訴に来院.腹部超音波検査にて肝S6に径19mmの低エコー病変と下部消化管内視鏡検査にて結腸の壁肥厚ありS状または下行結腸癌肝転移と診断した.
【症例3】
68歳男性,上気道炎にて来院,軽度の腹痛訴えるため念のため腹部超音波検査を試行したところ多発肝腫瘤あり転移性肝癌を疑い当日上下消化管内視鏡検査施行し胃体下部の進行胃癌の多発肝転移と診断
【検討】
雑多な一般開業臨床ににおいても腹部超音波検査が必要と判断すればすぐ施行できる環境にあれば転移性肝癌もそれなりの頻度で発見可能である.肝転移は切除可能(症例2)また,切除後肝動脈抗癌剤注入(症例1・3)と迅速な診断により可及的早期の集学的治療が可能となることをあわせ考えると多忙な診療においても大事な診療手段と考えている.
【結論】
一般臨床においても腹部超音波検査は確定診断に至る大切な検査手法と考えられた.