Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般ポスター
循環器:症例3

(S478)

心房内の腫瘤状エコーが心室病変に先行した全身性アミロイドーシスの一例

A Case of Systemic Amyloidosis Presenting with Biatrial Tumor-like Echo Preceding to The Ventricular Lesion

田原 達哉, 十河 泰司, 津島 翔, 多田 典弘, 末澤 知聡, 松原 一志

Tatsuya TAHARA, Taiji SOGO, Sho TSUSHIMA, Norihiro TADA, Chisato SUEZAWA, Hitoshi MATSUBARA

高松赤十字病院循環器科

Department of Cardiology, Takamatsu Red Cross Hospital

キーワード :

症例は58歳,女性.労作時の息切れと下肢の浮腫を主訴に当院受診.当初の心エコー上心室中隔壁厚11mmと左室肥大は目立たず,左室駆出率66%と収縮能は良好で,左室拡張障害を示唆する所見も目立たなかったが,左房,右房の不整な壁肥厚と一部結節状の隆起病変を認めた.血液検査上は正球性正色素性貧血とBNPが902pg/mlと上昇を認めた.唾液分泌の減少傾向もあり,耳鼻科にて施行された下口唇の粘膜組織生検で唾液腺にアミロイドの沈着を認め,胃,直腸粘膜生検でもアミロイドの沈着が認められた.末梢血には異型細胞を認めず,M蛋白も認めなかったが,骨髄穿刺にて形質細胞様の異型細胞が多数認められ,多発性骨髄腫に伴う全身性アミロイドーシスと診断した.その後心エコー上,次第に心嚢液貯留と心室壁厚の増大,エコー輝度の上昇といった心アミロイドーシスに典型的な変化が認められるようになり,当初認められた心房病変も心アミロイドーシスに伴う変化と考えられた.今回我々は,心房内の腫瘤状エコーを契機に発見され,心エコーによる経過観察中に心室病変の変化が目立つようになった全身性アミロイドーシスの1例を経験したので報告する.