Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般ポスター
基礎:基礎

(S464)

医用超音波の安全性評価−MI値およびTI値算出による安全指標の基礎検討−

Basic research on safety assessment of medical ultrasound - Basic consideration on safety index by calculation of MI value and TI value -

渡邉 晶子, 川島 徳道, 竹内 真一

Akiko WATANABE, Norimichi KAWASHIMA, Shinichi TAKEUCHI

桐蔭横浜大学大学院工学研究科医用工学専攻

Graduate School of Biomedical Engineering, Toin University of Yokohama

キーワード :

【はじめに】
近年,超音波診断装置の高性能化に伴い,より強力な超音波を用いる傾向が出てきた.そのために医用超音波の安全性の問題が話題となっている.本研究では,診断装置から照射される超音波パルス波形や音場,超音波ビームの大きさの計測とそれらより算出したMI値およびTI値から,現在の安全指標に関する基礎的な検討を行った.
【測定】
本測定は,水道水の入った水槽中で中心周波数8.0 MHzのリニア電子スキャンプローブを6.0 MHz付近のMモードで駆動し,視野深度147 mm,焦点位置75 mmの条件下で超音波音場の計測を行った.超音波プローブから放射された超音波を,メンブレン型ハイドロホンで受信し,波形をオシロスコープ上に表示した.このとき,視野深度や焦点位置を変化させずに,送信電圧を変化させるつまみを10クリック(1クリックで1.5 dB変化する)したとき,最大または最小にしたときの3つの設定で,それぞれ超音波プローブからの距離を30 mmから90 mmまで5.0 mmずつ変化させ,計測された超音波パルス波形からVppと負の最大値,周波数を求めた.
さらに,TIC値算出に必要な等価開口直径Deqを得るために,先の測定で用いたリニア電子スキャンプローブを同様の条件で脱気水中にて駆動させ,照射された超音波をプローブ表面から4.5 mmの距離に設置したニードル型ハイドロホンをプローブの走査方向とスライス方向に0.1 mm刻みで移動させ,Vppが最大値から-12 dBとなる点までの移動距離を計測した.得られた超音波パルス波形の周波数スペクトル(Fig.2)中に含まれる最も低いピーク周波数(基本周波数に対応すると考えられる)を音響作動周波数として安全指標を算出した.
【結論】
ハーモニックイメージング等の非線形特性を利用する超音波診断法では,超音波が水中や生体組織中を伝搬することにより発生する高調波成分等の送信周波数や基本周波数と異なる様々な周波数成分が存在するので,どの周波数を音響作動周波数として用いて安全指標を算出すれば良いのか不明確であるという問題点が見つかった.