Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般口演
体表:体表・その他/ new modality

(S444)

悪性リンパ腫寛解例の再発診断 カラー感度について

Ultrasonographic recurrence diagnosis for complete remission malignant lymphoma About the color sensitivity

吉岡 二三, 田中 幸子, 高倉 玲奈, 井岡 達也, 高野 保名, 中泉 明彦, 宮崎 さや子, 三栖 弘三, 福田 順子, 松野 徳視

Fumi YOSHIOKA, Sachiko TANAKA, Rena TAKAKURA, Tatsuya IOKA, Yasuna TAKANO, Akihiko NAKAIZUMI, Sayako MIYAZAKI, Kouzou MISU, Jyunko Fukuda, Noritoshi MATSUNO

地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター消化器検診科

Dept. Cancer Survey, Osaka Medical Canter for Cancer and CVD, Osaka, Japan

キーワード :

始めに:我々は悪性リンパ腫(ML)完全寛解(CR)後の表在リンパ節再発診断で,Color gain 60%で血流を検出するリンパ節(LN)を対象としている1).治療終了後の経過に,再発が確認される症例の中には小LN例(fig.1)もまれにある.以前より使用している診断装置HDI5000はgain 81%までノイズと鑑別できるので,それらのカラー感度による相違を検討した.目的:再発診断に必要なカラー感度の妥当性を検討する.対象および方法:対象は,CRと診断されていたML41例で,NHL33例,HD3例,MALT3例他である.それぞれに多重ロディスティック回帰分析を用いた診断およびgain 60%と80%を検討した.診断項目は大きさ(長径,横径,厚み径),厚み径/長径比,境界の明瞭度,エコーレベル,リンパ門域の大きさ,脾腫の8項目である.logitPの計算式から-15以上を陽性として診断した.logitP =−201+37×長径+83×横径+29×厚み径+66.6×厚み径/長径比-1.4×リンパ門域の大きさ+20×エコーレベル+65.6×境界の明瞭度+70.2×脾腫である.結果:LogitP陽性例は無かった.対象となったLNは60個,そのうち感度60%で血流+は9例11個,このうち拍動波が10個,定常波が2個,平均血流速度が18 cm/sであった.感度80%で血流+は25例30個,このうち拍動波が21個,定常波が9個,平均血流速度が12 cm/sであった.感度を変えて描出したLNを示した(Fig.2).感度60%のLNはPRF1500で9.6cm/s前後の検出が容易である.PRFを700に変更すると低い速度の血流が描出され,速い速度の血流は折り返して表現される.Gain 81%にすると低い速度の血流も描出されるが,カラー表示部分が多くる.41例中に23ヵ月後の再発例1例と11ヵ月後の腹部再発が1例であった.まとめ:color gainは我々がもともとの使用していた感度をずっと使用している.たまたま再発LNを検出しやすい感度であった.LogitPを使うことで診断精度が向上している.
文献
1)吉岡二三,田中幸子,浜田好弘,ほか多重ロジスティック回帰分析による悪性リンパ腫の再発診断,超音波医学2004;31(Suppl):S97