Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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cover

2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般口演
体表:体表・その他/ new modality

(S443)

自動乳房撮像装置の使用初期経験

The initial experiences of automatically breast volume scanner (ABVS) SomoVuTM Possibility to use in breast cancer screening, feasibility study

太田 智行

Tomoyuki OHTA

聖マリアンナ医科大学 放射線医学教室

Radiology, St. Marrianna university hospital

キーワード :

目的
ABVSは撮像法を標準化できる点,高い再現性,比較読影が可能な点で通常超音波検査より優れている.したがってABVSは潜在的に乳癌検診に有用であると考えられる.しかしながら,ABVSの検査精度はまだ確立されていない.また,視野の広いABVS画像を読影するには一定のトレーニングも必要と思われる.今回われわれは通常超音波検査とABVS画像のカテゴリーを比較し,その一致率から検査精度について検討した.また,読影にかかる時間を読影件数でどう変化するか検討し,トレーニングに必要な症例数を推測した.
対象と方法
通常超音波検査(SSA-770A, Toshiba Medical Systems, Tokyo, Japan)とABVS・SomoVuTM (Siemens, Erlangen, Germany)がともに行われた乳癌手術既往のない102名が対象.204乳房(102名)をBIRADSの基準に従いカテゴリー分類し,カテゴリー3以上を要精査群,カテゴリー2以下の非要精査群として,通常超音波検査とABVSの一致率を検討した.それぞれの読影は別の放射線科医が読影し,blindnessを確保した.一人の放射線科医がすべてのABVS画像を読影し,読影にかかった時間と経験読影件数による変化を調べた.

結果
一致率 は94.1% (192/ 204).一件当たりの読影時間は最初の30例で平均8.7分,次の30例では3.8分であった.
結論
ABVSと通常超音波検査でのカテゴリー一致率は高かった.再現性が高く,比較読影が可能な点を考慮すると,ABVSは潜在的に乳癌検診に有用と思われた.一定トレーニング後であれば読影時間も短く,検診業務にも問題にならないと思われた.