山本 徳則¹, 青木 重之¹, 河津 政範³, 青木 久佳², 舟橋 康人¹, 服部 良平¹, 後藤 百万¹

Tokunori YAMAMOTO¹, Shigeyuki AOKI¹, Masanori KAWAZU³, Hisayoshi AOKI², Yasuhito FUNAHASHI¹, Ryouhei HATTORI¹, Momokazu GOTOH¹

¹名古屋大学付属病院泌尿器科, ²GE横河メディカルシステム株式会社GE Healthcar, ³第一三共株式会社名古屋病院第一営業所

¹Urology, MD, ²GE Healthcar, GE Yokogawa medical corp., ³Nagoya Hospital Daiichi Branch, Daiichi Sankyo

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超音波造影剤による腎腫瘍の微小血管の解析はレボビストを用いて行われていたが，他の方法と微小血管の造影にすぐれているものの1）造影効果の時間が短い　2）再現性に乏しい　3）注入に手間がかかる　4）音圧に弱く造影効果が弱い　の理由で，腫瘍の微細な結果の観察には限界があった．そこで今回上記の欠点を補った超音波造影剤，ソナゾゾイドを用いて腎腫瘍症例に対して臨床的検討を行った．造影剤は経静脈的にボーラス（0.015ml / kg）で注入し，装置は GE LOGIQ 7を使用し，時間濃度—曲線を腫瘍と正常組織で比較検討した．主に外来では4Cコンベックスプローブで周波数　4.0Mhz・MI値　0・29・深さ　13cm・フレームレート　11Hz・ハイブリッドコントラストモード，そして主に手術中では9Lプローブ（リニアプローブ）・周波数　6．5Mhz・MI値　0．31・フレームレート　10Hz・ハイブリッドコントラストモードで行った．手術で病理組織で確認された腎腫瘍（腎細胞癌：16症例，嚢胞線癌：4症例，腎血管脂肪腫：3症例）を対象に行った．造影剤のピークまでの時間は正常組織と比較して悪性腫瘍で有意に早くその勾配も同様に 高かった（（平均時間 ［s］ ±SD: 悪性腫瘍；6.4±1.6 vs. 正常組織；10.9±3.1; p＜0.0001）. （平均勾配 音響インデックスdB/時間（秒）±SD: 悪性腫瘍；3.9±1.1 vs. 正常組織；1.9±0.9; p＝0.0003）.一方出血性嚢胞（n＝5）と腎血管脂肪腫（n＝4）では造影効果が認められなかった．腎腫瘍に対する造影超音波検査における濃度ー時間曲線を解析することによって腎腫瘍内を流れる微小血管の信号を映像化し，その流れの差から腎腫瘍診断鑑別の可能性が示唆された．大きなシステムが必要なCT断層検査と比較して1）造影剤が血管外にすること　2）時間分解能が高いこと　3）腎機能傷害症例にも検査可能であることより今後臨床での重要な画像検査であると考える．