Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般口演
消化器:肝細胞癌2

(S395)

肝細胞癌の肉眼分類とSonazoid造影超音波におけるdefect像の比較

The defect image on Sonazoid-enhanced ultrasonography : comparison with the macroscopic classification of hepatocellular carcinoma

畑中 絹世1, 南 康範1, 工藤 正俊1, 土師 誠二2

Kinuyo HATANAKA1, Yasunori MINAMI1, Masatoshi KUDO1, Seiji HAJI2

1近畿大学医学部消化器内科, 2近畿大学医学部外科

1Department of Gastroenterology and Hepatology ,Kinki University School of Medicine, 2Department of Surgery, Kinki University School of Medicine

キーワード :

【目的】
肝細胞癌の肉眼分類は局所治療後再発のリスクファクターの1つであり,治療前に肝腫瘍形態を把握することは重要である.手術において切除された肉眼分類について,Sonazoid造影超音波検査と造影CT/MRIとを比較検討した.
【方法】
2007年12月〜2008年9月に当科にてSonazoid造影剤を用いて超音波検査行い,その後外科的切除となった肝細胞癌12症例16結節を対象とした.Sonazoid (第一三共)は0.01mL/kgを静注投与し,post-vascular phaseでDefect像の形態を観察した.超音波診断装置は東芝社製Xario XGを使用した.主なRFA非適応症例として肝外突出型(5例),門脈塞栓合併(3例),安全な穿刺経路が確保できない症例(2例)などが挙げられる.
【結果】
症例は男性8人,女性4人で,平均年齢は65.3±7.3歳(52−76),平均腫瘍径は2.5±1.9cm(1.0-7.6)であった.切除標本における19結節中の肉眼分類は,小結節境界不明瞭型0結節,単純結節型11結節,単純結節周囲増殖型7結節,多結節癒合型1結節,浸潤型0結節であった.術前の造影超音波検査における肉眼分類診断率は93.8%(15/16)であった.しかし,切除標本内に術前に指摘し得なかった肝細胞癌結節として3結節(平均腫瘍径1.0cm)を認めた.術前の造影CTもしくはMRIでは12症例14結節を指摘しており,肉眼分類診断率は78.6%(11/14)であった.
【結論と考察】
肝細胞癌の肉眼分類診断について造影超音波検査は造影CT/MRIより良好であった.