Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般口演
循環器:3D

(S324)

2次元及び3次元心エコー法により求められた右心室サイズと収縮機能の比較

Comparison of Right Ventricular Size and Contractility between Real-Time 3-Dimensional Echocardiography and 2-Dimensional Echocardiography

豊野 学朋1, 2, 塩田 隆弘2, 3

Manatomo TOYONO1, 2, Takahiro SHIOTA2, 3

1秋田大学生殖発達医学講座小児科学分野, 2クリーブランド・クリニック循環器内科, 3シーダーズ−サイナイ・メディカル・センター循環器科

1Reproductive and Developmental Medicine, Pediatrics, Akita University, 2Cardiovascular Medicine, Cleveland Clinic, 3Division of Cardology, Cedars-Sinai Medical Center

キーワード :

[背景] 近年,3次元心エコー法 (RT3DE) により求められた右心室 (RV) 容積と駆出率 (EF) は,gold standardとされる核磁気共鳴診断法の計測値と良好に一致することが示された.本研究は,2次元心エコー法 (2DE) 及びRT3DEにより求められたRVサイズと収縮能を,RV容量あるいは圧負荷の有無で比較・検討することを目的とした.
[方法] 2DE及びRT3DEを同時に施行された55例 (56±18歳) を対象とした.基礎疾患は僧帽弁疾患19例,冠動脈疾患12例,大動脈弁疾患10例,拡張型心筋症6例,その他8例であった.2DEでRV拡張末期面積 (EDA)・収縮末期面積 (ESA)・面積変化率 (FAC)・収縮期圧 (SP) を,RT3DEでRV拡張末期容積 (EDV)・収縮末期容積 (ESV)・EFを求めた. RV容積とEFは4D RV-Function (TomTec Corporation) を用いて計測した.RV容量負荷はEDA>30cm2,圧負荷はSP>40mmHgと定義した.
[結果] RV-EDA・ESA・FAC・SPは各々22±8cm2,14±6cm2,37±11%,36±13mm Hg,RV-EDV・ESV・EFは各々99±38ml,52±22ml,47±9%であった.RV容量・容積負荷は各々9例,12例存在した. 全症例でRV-EDA・ESA・FACは,各々RV-EDV・ESV・EFと相関した (全てp<0.001).RV容量負荷が存在しない症例では,RV-EDA・ESA・FACは,各々RV-EDV・ESV・EFと相関した (全てp<0.04) が,RV容量負荷症例ではいずれの計測値も有意な相関を示さなかった (図). 一方,RV圧負荷の有無に関わらず,RV-EDA・ESA・FACは,各々RV-EDV・ESV・EFと相関した (全てp<0.04).
[結論] RV非拡大例では,2DEで求められたRV面積とFACは,RT3DEで求められたRV容積とEFに相関を示した.2DEのみによるRV拡大例のRV評価には注意が必要であり,この様な症例のRV評価にはRT3DEが不可欠である可能性が示された.