Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般口演
基礎:弾性計測

(S315)

有限要素法を用いた組織弾性イメージングにおける圧迫効果の基礎検討

Basic Assessment of Compression Effect for Tissue Elastic Imaging by using Finite-Element Method

鎌田 英世1, 三竹 毅2

Hideyo KAMADA1, Tsuyoshi MITAKE2

1㈱日立メディコ マーケティング統括本部, 2㈱日立メディコ USシステム本部

1Marketing Division,Hitachi Medical Corporation, 2Ultrasound System Division,Hitachi Medical Corporation

キーワード :

【背景】
近年,さまざま組織弾性イメージングに関する技術が報告されているが,現在最も臨床応用が進んでいるのは体表から用手的に圧迫を行い体内組織を変形させる方法である.しかしながら,これまでに,体表からの圧迫が,脂肪層,筋肉層を通してどのように体内組織に伝搬されるかについての理論的に検討は報告されていない.そこで,今回,有限要素法を用い,体表の振動がどのように体内に伝搬するかの検討を行ったので,報告する.

【目的】
有限要素法を用い,脂肪層,筋肉層及び体内組織のモデルを作成し,圧迫及び伝搬組織の条件を変えた場合の歪みの伝搬の違いを検討する.

【方法】
有限要素法:FEMLEG
生体モデル:脂肪層,乳腺組織及び腫瘍を想定し超音波画像断面に垂直な方向の円柱のモデルを使用
圧迫モデル:通常使用される探触子を想定し長軸 40mm短軸 5mmの平面での圧迫を想定
パラメータ:圧迫力により発生する組織の変異量:0.3mm,1.0 mm,3.0mm
腫瘍弾性率:250kPa,500kPa(腫瘍は繊維化と浸潤性乳管癌の2種を想定し,Krouskopらの報告値[1]を用いた)

【結果】
1.圧迫の変異が大きい程,部位による歪みの度合いがばらついた
2.腫瘍弾性率の違いについては,結果に大きな影響は出なかった.

【まとめ】
脂肪,乳腺組織がある生体中でどのように歪みが伝搬されるかが把握できた.
今後更に詳細な検討を行っていく予定である.

【参考文献】
1)T.A.Krouskop et al, Ultrasonic Imaging, 1998 ; 20 : 260