Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

一般口演
基礎:デバイス

(S307)

多周波超音波イメージング

Multi-frequency Ultrasonic Imaging

秋山 いわき1, 吉住 夏輝1, 斎藤 繁実2, 小山 大介3, 中村 健太郎3

Iwaki Akiyama1, Natsuki Yoshizumi1, Shigemi Saito2, Daisuke Koyama3, Kentarou Nakamura3

1湘南工科大学工学部電気電子工学科, 2東海大学海洋学部, 3東京工業大学精密工学研究所

1Faculty of Engineering, Department of Electric and Electronic Engineering, Shonan Institute of Technology, 2School of Marine Science, Tokai University, 3Precision and Intelligence Laboratory, Tokyo Institute of Technology

キーワード :

我々は多数の周波数の超音波を同時に送受信することによって広い周波数にわたってスペックルパターンの異なる画像を形成し,それらを対数変換後加算平均することによってスペックルを軽減しようと試みている.厚みの異なる2つの圧電体を重ねて接着することによって,1.5MHz,3.0MHz,4.5MHz,6.0MHz,7.5MHzの周波数の超音波を同時に送受信し,ファントム画像のスペックル軽減に成功したので報告する.使用した圧電体は1−3コンポジット材である.共振周波数2.0MHzの圧電体と共振周波数6.0MHzの圧電体を接着した.6.0MHzの圧電体の振動面に整合層を介して音響レンズ(曲率半径25mm)を接着した.6.0MHzの圧電体をパルス電圧で駆動して超音波を送信する.ファントムはグラファイト粉末を寒天水溶液に拡散させてゲル化したものを水中の振動子の焦点距離50mmをファントムの中心(直径3mmの孔を空けた)とするように設置した.ファントムからの反射波は6.0MHzの圧電体で受ける.受信信号は1.5MHz,3.0MHz,4.5MHz,6.0MHz,7.5MHzを中心として,±0.6MHzの周波数帯域を有する5つのバンドパスフィルタで分けられ,分割されたそれぞれの帯域においては,それぞれの中心周波数を搬送波として直交検波が行なった.それぞれの周波数帯域における画像とそれらを対数変換後加算した画像を図に示す.同図より,周波数が高いほどスペックルの平均粒径が小さいこと,スペックルパターンが周波数によって異なることを観察できる.また,5つの画像を加算することによってスペックルが軽減されることがわかる.従来では受信用としてPVDF等の広帯域の振動子を用いていたが,新しく開発した振動子を用いることによって,多周波超音波イメージングが実現できることが示された.
謝辞 振動子作成に協力いただいたジャパンプローブ株式会社の小倉幸夫社長,高橋修取締役,大平克己氏に深謝します.