川地 俊明¹, 竹島 賢治¹, 乙部 克彦¹, 高橋 健一¹, 加藤 廣正¹, 今吉 由美¹, 中村 雅志², 村下 賢², 成田 弘彦³, 森田 温子³

Toshiaki KAWACHI¹, Kenji TAKESHIMA¹, Katuhiko OTOBE¹, Kenichi TAKAHASHI¹, Hiromasa KATO¹, Yumi IMAYOSHI¹, Masashi NAKAMURA², Masaru MURASHITA², Hirohiko NARITA³, Atsuko MORITA³

¹大垣市民病院医療技術部診療検査科, ²アロカ株式会社研究所, ³アロカシステムエンジニアリング株式会社技術部

¹Department of Gastroenterology, Ogaki Municipal Hospital, ²Research Laboratory, ALOKA CO.,LTD.Tokyo,Japan, ³Embedded System group1 Engineering Department, ALOKA SYSTEM ENGINEERING CO.,LTD.Tokyo,Japan

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【背景】
アロカ㈱が開発した「モーフィング技術を応用した3D体積計測機能」は，モーフィング技術を使用する事により，ソフトウェアがユーザが入力した少量のトレース情報に基づいて対象物全体の輪郭を自動生成し，自動的に体積値計算および3D表示するものである．一般的に超音波画像は境界が鮮明な場合ばかりではないため，本機能は幅広い分野で応用可能と考えられる．
今回我々は，本機能を使用する機会を得たため，計測に際し，ユーザが指定するパラメータの設定をファントム実験を行い検討し若干の知見を得たので報告する．
【方法】
操作手順は1〜4で行う．
1.対象物に長軸を設定する．
2.軸に垂直に数枚の平行断面（キー断面）を設定する．
3.キー断面上でマニュアルトレースを行う．
4.自動で，マニュアルトレースの間を滑らかに補間することにより，多数の中間断層像における境界線を自動生成し，体積値計算および3D表示を行う．
今回は特に手順2.の枚数の設定を得るため，体積値既知のファントム（Fig.1）に対してキー断面の数を変えながら体積計測を行った（今回は断面間隔一定）．計測値は同一オペレータによる3回試行の平均をとった．
【結果】
キー断面数と計測値の関係をFig.2に示す．楕円体ファントムAの場合，3枚程度からでも安定した計測結果が得られた．3次元的な凹凸があるファントムBの場合，キー断面数が少ない場合に計測結果のバラツキが大きかった．ただし比較的少ないキー断面数でも，3次元的な山や谷にキー断面を設定した場合，自動生成した輪郭が実体に程よく一致した（Fig.3, キー断面数:5枚）．
【まとめ】
「モーフィング技術を応用した3D体積計測機能」は，比較的少ない手間（3〜5枚程度のマニュアルトレース）で安定的な計測結果が得られる．hyperエコー画像は実体より多少大きく表示される原理的特性があるため，今回は計測精度を深く議論できなかった．今後は，さらにファントム実験で計測精度を検討しながら，臨床応用への展開を予定している．