英文誌(2004-)
パネルディスカッション
パネルディスカッション13
妊婦健診における超音波検査の再検討
(S243)
パルスドプラ法をどう使うか
How do we use pulsed Doppler ultrasonography for management throughout pregnancy?
中田 雅彦
Masahiko NAKATA
山口大学医学部附属病院周産母子センター
Perinatal Care Center, Yamaguchi University Hospital
キーワード :
近年では,産科領域における超音波診断法はほとんどの医療機関で普及している.しかしながら,超音波断層像,pulsed Doppler法,あるいは,3D等,多岐にわたる手法が存在する事,一定のガイドラインのもとで超音波検査が行われていない事などの状況下にあり,超音波技術の効率良い有効な利用といった見地では,果たしてどのような手法をどのようなプロトコールで用いれば良いか,疑問を抱かざるを得ない.
超音波 pulsed Doppler法は胎児・胎盤血流の評価において病態を捕らえる上で有用である事は諸家の報告において旧知のことである.しかしながら,双胎間輸血症候群や先天性心疾患における心不全の評価,子宮内胎児発育不全においける胎児胎盤循環不全の評価等において用いられているものの,いわゆる妊婦健診における役割は定かでない.
本パネルディスカッションでは,いわゆるlow risk妊娠における超音波pulsed Doppler法の位置づけ,high risk 妊娠における活用方法を演者の知見と文献的考察を含めてreviewすることを主眼とする.さらに,演者が過去に検討してきた胎児静脈血流系のpulsed Doppler法の研究結果を踏まえ,胎児胎盤循環の病態生理と同法の意義についても論じたい.