英文誌(2004-)
パネルディスカッション
パネルディスカッション6
眼部超音波ドプラーによる微小循環の評価
(S216)
頸動脈病変と網膜動脈流速脈波波形の関連
Retinal Blood Velocity Waveforms in Patients with Carotid Artery Lesion
高橋 淳士
Atsushi TAKAHASHI
旭川医科大学眼科
Ophthalmology, Asahikawa medical college
キーワード :
我々は日常診療においてレーザードップラー眼底血流計を用いて網膜主幹動脈における眼循環動態を測定し,様々な角度から臨床研究を行っている.
虚血性心疾患患者において測定した網膜動脈血流速度およびシェアストレスは,頸動脈エコー法による頸動脈内膜中膜肥厚(IMT)と正相関することを見いだし,網膜循環動態の測定が動脈硬化の定量的評価の指標としても有用であると考えている.また,発症早期の網膜動脈分枝閉塞症患者において測定した網膜動脈流速脈波波形とその変化から内頸動脈閉塞の有無を推測できた症例が認められ,網膜動脈における非侵襲的,かつ定量的な血流速度測定とその流速脈波波形といった眼循環の評価により,より中枢の全身状態が推測できる可能性がある.今回,我々の研究の一端をご紹介する.