Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

シンポジウム
シンポジウム15
消化器領域における超音波診断基準の検証

(S185)

日本超音波医学会用語・診断基準委員会
消化管診断基準小委員会報告

The Japan society of Ultrasonics in Medicine

森 秀明

Hideaki MORI

杏林大学医学部第三内科

The Third Department of Internal Medicine, Kyorin University School of Medicine

キーワード :

【はじめに】
平成20年秋に日本超音波医学会の用語・診断基準委員会のなかに新たに消化管診断基準小委員会が立ち上げられた.委員会の構成メンバーは委員長:森 秀明(杏林大学医学部第3内科),副委員長:畠 二郎先生(川崎医科大学検査診断学),委員:樫田博史先生(昭和大学横浜北部病院消化器センター),関根智紀先生(旭中央病院中央検査科),西川かおり先生(杏林大学医学部第3内科),長谷川雄一先生(成田赤十字病院中央検査部生理検査科),藤井康友先生(自治医科大学臨床検査医学),本田伸行先生(寺元記念病院放射線科),宮本幸夫先生(東京慈恵会医科大学放射線医学講座),山田博康先生(広島県立広島病院消化器内科)の計10名である.第1回の委員会は平成21年2月に予定されており,抄録の時点ではまだ第1回の委員会が開催されていないため,現時点では平成20年12月に各委員にお願いしたアンケート結果の抜粋を報告する.
【アンケート結果】
1)用語・診断基準委員会の全体会議で,消化管診断基準小委員会に対する要望として上部および下部消化管領域の基準となる走査手順案の作成の要望があったため,各委員の所属する施設において,現時点で,上部および下部消化管領域の体外式超音波検査の走査手順となるようなマニュアルがあるかを質問したが,3施設で作成されていた.
2)今回,超音波検査を用いた上部および下部消化管領域の診断基準を作成するにあたり,体外式超音波検査による診断基準のみでよいか,または超音波内視鏡検査(EUS)の所見を含めるべきかに関しての質問には,9名の委員から体外式超音波検査を主体に作成すべきであるとの意見をいただいた.
3)上部および下部消化管領域の診断基準にカラードプラや造影超音波検査も含めるべきかに関しての質問には8名の委員からカラードプラに関しては有用な所見があれば加味しても良いのではとの意見をいただいたが,造影超音波所見に関しては施行している施設が少ないため,診断基準には含めない方が良いのではないかとの意見が多かった.
4)どのような上部および下部消化管疾患に関して超音波検査による診断基準を作成すべきかとの質問に関しては,上部消化管領域では食道癌,胃癌,胃粘膜下腫瘍などの腫瘍に加えて,急性胃粘膜病変,胃・十二指腸潰瘍,肥厚性幽門狭窄症,食道アカラシアが候補として挙げられた.下部消化管領域では小腸腫瘍(癌,悪性リンパ腫,GIST),大腸癌などの腫瘍に加えて,腸炎(感染性,薬剤性,偽膜性),虫垂炎,大腸憩室炎,虚血性大腸炎,潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患,ループス腸炎,シェーンラインへノッホの消化管病変,腸重積,腸閉塞 ,大腿ヘルニア,ソケイヘルニア,腹壁ヘルニアが候補として挙げられた.以上のアンケート結果を基に平成21年2月に予定している第1回小委員会でさらに検討を加えていく予定である.