Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

シンポジウム
シンポジウム11
肝腫瘍診断における造影超音波の位置づけ

(S165)

4D超音波によるRFAの治療ガイドと効果判定

Four-dimensional ultrasound as guidance of radiofrequency ablation

山田 昌彦

Masahiko YAMADA

東京医科大学消化器内科

Department of Gastroenterology and Hepatology, Tokyo Medical University

キーワード :

【目的】
3次元超音波は保存された立体画像を多断面から観察でき,2次元画像に比べ,客観性のある診断が可能である.3D-USは造影が可能になり,経時的変化の描画とデータの保存が可能となり,3次元に時相を加え,造影4D超音波(4D-US)となった.超音波造影剤はソナゾイドが発売され,高いフレームレートでの観察が可能となった.超音波診断装置では腹部領域用のメカ4Dプローブが開発され,細径で穿刺アダプターもあり,4D超音波ガイドでRFAや肝生検が可能となった.すなわち4D-USは肝腫瘍において診断,RFAの治療支援,治療効果判定が可能である装置となった.今回我々は4D-USをRFAの治療ガイドとして用い,有用性を検討し,RFAの治療効果判定も行った.
【方法】
超音波診断装置は東芝メディカルシステムズAplio XGで,中心3.5 Hzのメカ4Dプローブを用いた.超音波造影剤はソナゾイドとし,造影4D-USにおけるMIは0.2とした.検討項目は1)造影4D-USによる肝腫瘍の診断,2)4D-US を用いたRFA穿刺,3)RFAにおける焼灼時モニターおよび効果判定である.RFAの効果判定にはワークステーションを用い,3次元的位置を合わせるソフトを用いて治療前と治療後などのボリュームの位置を合わせて表示し,判定に用いた.
【成績】
4D-USは,リアルタイムにMPR表示でき,肝腫瘍の3次元的な診断を可能とした.また,RFAにおいては穿刺における3次元的なズレを把握することを容易とした.すなわち,2D超音波では左右方向のズレしか表示できなかったが,4D-USは前後方向のズレも表示でき,正確な穿刺および治療に有効と考えられた.RFAの焼灼時に4D-USでモニターすることにより,焼灼範囲を立体的にしかもリアルタイムに把握することができた.造影4D-USによるRFA後の効果判定では,多方向から焼灼域を診断できた.とくに位置あわせソフトを用いることにより,治療効果が正確に判定できたと考えられた.
【結論】
4D-USおよび造影4D-USは肝腫瘍の診断とRFAの治療支援および効果判定に有用であると考えられた.また,位置あわせソフトは治療および効果判定の正確性を向上させたと考えられた.超音波診断装置が急速な進歩を遂げている現在において,4D-USのリアルタイム性と画像解像度の更なる発展が期待された.