Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

シンポジウム
シンポジウム8
経頭蓋超音波検査の最前線

(S152)

周術期の頭蓋内3D超音波画像−Volume imaging法−

The three dimensional images by the recent sonographic study.−Especially volume imaging method−

中岡 勤

Tsutomu NAKAOKA

保谷厚生病院脳神経外科

Neurosurgery, Hoya Kosei Hospital

キーワード :

【目的】
最近の周術期における3D超音波検査について
【方法】
2006年8月から2008年12月までに周術期に超音波検査を施行した頭蓋内病変症例は87例(男35例,女52例),平均年齢は59.8才.超音波装置( PMS社製 )はHDI 5000 とiE-33,セクタープローブP4-2とX3-1,7-2を使用. Color Doppler Flow Image法 (CDFI)による頭蓋内3D観察 (3D CDFI),他にPulse Inversion Harmonic Imaging 法(PIHI)下に超音波造影剤を注入し,HDI5000ではadaptive filter imaging method (XRES)からの3D灌流画像(3DPI),iE-33ではvolume dataからの3DPIを作成した.
【結果と考察】
3D画像による形態異常の把握は2Dより優れ,産科領域で多く応用されている.今回,最近開発されたvolume imaging法による3D CDFIから脳動脈瘤を観察したところ,real timeにdynamicな瘤近傍の血流変化やクリッピング後のclip,血管や周囲組織を観察できた.HDI 5000による3DPIでは頭蓋内の脳室・くも膜下腔,基底核等の観察は良好であったが,free handのよる歪みや検査後の画像処理(拡大率・透過度・輝度filterの補正など)や超音波自体の特性による減衰の問題が存在した.iE-33ではvolume dataのためreal timeに脳組織の灌流をdynamicに,さらに距離・面積・体積の計測,任意の割面や方向からの観察が可能で,最近では超音波3D下でのラジオ波焼灼療法の臨床応用が報告されている.3DPIに関しては,連続照射下で造影剤が持続的に破壊されるため灌流画像は得られたが,今後は壊れづらい次世代造影剤の使用に期待したい.volume imaging法による検査は,そのdynamic性やreal time性からも臨床的有用性が高い.
<症例>
56歳,女性の右眼動脈近傍動脈瘤症例.左開頭によるアプローチでの3D B-mode画像とCDFI画像の複合画像画像からは,動脈瘤のdynamicな変化と周囲の組織である視神経管,鞍結節などが観察でき,さらにはvolume dataから視神経管の大きさや視神経管開放部の大きさが計測できた.