武部 晃司

Koji TAKEBE

たけべ乳腺外科クリニック乳腺外科

Breast Surgery, Takebe Breast Care Clinic

キーワード :

　高性能フルデジタル検査装置を用いれば，今までは検出できなかった微細石灰化や乳房構築の乱れが鮮明に描出できるようになった．乳房超音波検査とは，単に腫瘤（低エコー病変）を検出することであるとする従来のアナログ画像で構築した考え方を根本的に変える必要があると思う．
①低エコー病変の検出
②石灰化（高エコースポット）の検出
③構築の乱れ（引き込み所見）の検出
　この3つの要素を組み合わせて病変を検出する目を養うことが重要であると考える．
　それを踏まえたうえで当院で用いている低エコー病変の分類を提示する．
①腫瘤像非形成型（びまん型，乳管型）
②不明瞭型（染み出し型，音響陰影型）
③限局性小腫瘤型（脂肪型，のう胞型，典型）
　これはは検査を担当するものに，病変検出のために持ってもらいたい分類法であり，決して良悪性の鑑別に用いるものではない．また正解もない．この単純な分類を念頭にして病変を検出することが有用であると判断している．
　この分類法に基づき，非腫瘤像形成病変とは何かを解りやすく説明する．その際，症例画像は動画を用いて提示し，その検出のポイントについて言及する．