Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2009 - Vol.36

Vol.36 No.Supplement

シンポジウム
シンポジウム2
超音波検査と教育−超音波専門医と超音波検査士の育成について考える

(S128)

循環器超音波専門医と循環器超音波検査士の育成について考える

On Education and Certification of Medical Fellow and Sonographer

竹中 克

Katsu TAKENAKA

東京大学医学部附属病院検査部

Department of Laboratory Medicine, University of Tokyo Hospital

キーワード :

 超音波検査士試験の受験者数は,毎年増加しているが,超音波専門医試験の受験者数の伸びは,試験が専門別に分化された後も大きくはない.この差の原因は,「医師には他にもやることがある」と「超音波は技師に任せればいい」の2点である.消化管内視鏡専門医の数は少なくない,なぜなら内視鏡は技師には頼めないからである.それでは,医師にしかできない超音波検査とは何か?例えば,経食道心エコー法を挙げることが出来る.心房細動に対する除細動を行う場合に,左心耳(左房)内血栓を否定することが重要である.その方法は,「充分に抗凝固療法を行う」と「経食道心エコー法で評価する」の2つがある.後者を施行できる施設,あるいは医師は,多くないのが現実で,時間がかかる前者を採択することになっている.専門医の1階は,経胸壁心エコー法が課題であるが,2階にはこのような医師にしかできない超音波検査を設定すべきである.
 一方,超音波検査士は今のままでよいか?健診,血管など領域を増やし,受験者も順調に増加しすそ野は広がっているが,その頂の高さはどうか?やはり,今の検査士制度を1階と考えて,その上に2階を作るべきである.循環器(心エコー)の分野では,幸いに,日本心エコー図学会が,日本超音波医学会の循環器あるいは血管領域の検査士資格を持っている技師に対して,2階に相当する専門技師試験を施行している.これは,研究実績の評価,動画試験,実技試験,面接を含むより高度な認定試験で,最終的には日本全国で200名程度の専門技師を育成する方針で稼働している.より高度な教育を目指すには,他学会との連携が必要となる.