Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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cover

1978 - Vol.5

Vol.5 No.03

State of the Art(特集)

(0187 - 0190)

膵臓の超音波的検討 —十二指腸内液注入法—

Echographic study of pancreas.~Using duodenal tube with water-filled balloon.

秋間 礼二, 西元寺 克礼, 為近 義夫, 岡部 治弥

Reiji AKIMA, Katsunori SAIGENJI, Yoshio TAMECHIKA, Haruya OKABE

北里大学医学部内科

Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Kitasato University

キーワード :

 北里大学病院約2年間のルーチン超音波検査による膵断層像を分析検討した結果,73/254例(28.7%)に膵断層像を認め得た。疾患別では,全消化器系疾患で72/208例(34.6%),その他の疾患ではわずかに1/45例(2.2%)であった。なお消化器系疾患のうち,膵,胆道系,肝疾患の順に膵描出率は高かった。得られた膵断層像から膵臓病態の性状確診は必ずしも可能ではなかったが,ルーチン検査で得られる膵断層像が膵の器質的病態を反映している可能性が示唆され,膵病変に対する超音波検査の意義は高いものと思われた。
 ついで,より描出能をよくする目的で十二指腸第Ⅱ部にバルーン装着チューブを挿入し,これに水を入れた後超音波検査を施行したところ,より良好な膵断層像を得ることができ,器種の進歩にあいまって微小膵癌の診断も期待できると考えられた。