英文誌(2004-)
State of the Art(特集)
(0185 - 0186)
超音波ガイドによる経皮的膵生検
Ultrasonically guided percutaneous aspiration needle biopsy of the pancreas.
伊東 紘一
Kouichi ITOH
自治医科大学臨床病理学教室
Dep. of Clinical Pathology, Jichi Medical School
キーワード :
消化器系疾患のなかで診断の最も困難な膵癌診断のために超音波検査法と細胞診を一緒におこなうことができるようになった。これがわれわれの行なった超音波ガイドによる経皮的膵生検である。中心部に小孔の開いた生検用探触子と外径0.6mmの針および"Aspirator"を用いて施行した。超音波画像にて腫瘤を確認した16例について生検を行ない, 14症例が膵癌, 2症例が膵炎患者であった。膵癌14例中2例は充分な細胞が得られず膵癌の確診を得られなかった。慢性膵炎2例は充分な細胞を得られたにもかかわらず癌細胞を得られなかった。 16例中1例で腹腔鏡下少量の出血を確認したほかには出血・感染・膵炎・腹膜炎などはみとめられなかった。今後の問題は電子走査型超音波診断装置を用いて,早期膵癌の発見と生検による確診をうることにより,膵癌の根治手術である。