Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般ポスター 産婦人科
症例 1

(S847)

Bi-Plane imagingが病型診断に有用であった大動脈弓離断複合の1症例

Bi-Plane imaging of fetal ultrasounds : a clue for evaluating interruption of aortic arch

秋葉 洋平, 宮越 敬, 佐藤 佑, 大谷 利光, 福武 麻里絵, 正木 繭, 池ノ上 学, 落合 大吾, 松本 直, 田中 守

Yohei AKIBA, Kei MIYAKOSHI, Yu SATO, Toshimitsu OHTANI, Marie FUKUTAKE, Mayu MASAKI, Satoru IKENOUE, Daigo OCHIAI, Tadashi MATSUMOTO, Mamoru TANAKA

1慶應義塾大学産婦人科学教室, 2さいたま市立病院産婦人科

1obstetrics and gynecology, Keio University, 2Obstetrics and gynecology, Saitama City Hospital

キーワード :

【緒言】
大動脈弓離断(IAA)はthree-vessel trachea view(3VT)における血管走行異常や胸部矢状断像での大動脈走行異常を契機に胎内診断されることが多い.本疾患の分類は離断の部位とneck vesselの位置関係に基づいて行われるが,実際には血管走行の評価に苦慮することも多く,胎児超音波検査による正確な病型診断は容易ではない.Bi-Plane imagingは同時に2断面を観察できる新たな描出法であり,今後の胎児診断への応用が期待されている.今回,我々はIAAの病型診断においてBi-Plane imagingが有用であった1症例を経験したので報告する.
【症例】
38歳,2妊1産(経腟分娩 1回).家族歴・既往歴に特記すべき事項なし.自然妊娠成立後,近医における経過は良好であった.妊娠27週の超音波検査で心臓構造異常が疑われ,精査目的に当院胎児外来に紹介受診となった.当院初診時(妊娠27週6日)の超音波精査(使用機器:Voluson E10, GE HealthCare)では推定胎児体重は937g(-1.3SD),心室中隔欠損を認め上行大動脈(AAo)-大動脈弓の連続性が確認されないことから大動脈弓離断複合と胎内診断した.離断部位とneck vesselの評価を試みたところ,一断面の観察では下行大動脈近位からneck vesselが1本分岐していることは確認されるも,AAoから分岐血管が評価困難であり,Bi-Plane imagingによる観察を追加した.胎児胸部水平断像および冠状断像の同時2断面評価ではAAoからの腕頭動脈および左総頸動脈分岐像が明瞭に観察され(下図),IAA B型の病型診断に至った.現在,胎児外来にて慎重な経過観察を行なっているが,児発育は順調であり,小児科と連携しながら今後計画分娩の予定である.
【結語】
本症例よりBi-Plane imaging はIAAの病型分類に有用と考えられた.