Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般ポスター 循環器
弁膜症

(S797)

大動脈弁置換術・三尖弁輪縫縮術後早期にパンヌス形成による弁機能不全を認めた症例

Rapid progression of tricuspid and aortic stenosis caused by pannus formation early after combined aortic valve replacement and tricuspid annuloplasty

河野 裕之, 北井 豪, 太田 光彦, 野本 奈津美, 堀 香菜, 紺田 利子, 角田 敏明, 谷 知子, 古川 裕, 小山 忠明

Hiroyuki KONO, Takeshi KITAI, Mitsuhiko OTA, Natsumi NOMOTO, Kana HORI, Toshiko KONDA, Toshiaki SUMIDA, Tomoko TANI, Yutaka FURUKAWA, Tadaaki KOYAMA

1神戸市立医療センター中央市民病院循環器内科, 2神戸市看護大学医科学, 3神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部, 4神戸市立医療センター中央市民病院心臓血管外科

1Cardiology, Kobe city medical center general hospital, 2Medicine, Kobe city college of nursing, 3Clinical laboratory department, Kobe city medical center general hospital, 4Cardiovascular surgery, Kobe city medical center general hospital

キーワード :

【症例】
80歳代女性
【主訴】
下腿浮腫, 労作時呼吸困難
【臨床経過】
約2年前に二尖弁に伴う大動脈弁狭窄症と三尖弁閉鎖不全症に対し, 大動脈弁置換術(Mitroflow 19mm)と三尖弁輪縫縮術(Tailor band 25mm)を施行した. 術直後の経胸壁心エコー図にて大動脈弁通過血流速度は2.7m/s, 平均圧較差(mPG)16mmHg, 三尖弁通過血流速度は1.1m/s, mPG 1.7mmHgであった. 来院2ヶ月前より下腿浮腫が出現し, 労作時呼吸困難も認めるようになったため外来受診された. X線写真で両側胸水を認め, 採血ではNT-proBNP 7254 pg/mLとクレアチニン1.76mg/dLを認めた. 経胸壁心エコー図にて, 大動脈弁通過血流速度は4.1m/s, mPG 32.5mmHg, 三尖弁通過血流速度は3.0m/s, mPG 23.7mmHgと大動脈弁・三尖弁狭窄の進行を認めた. 経食道心エコー図にて, 大動脈弁の無冠尖位, 左冠尖位の弁尖に高度可動制限が確認された. また三尖弁輪に沿って低輝度構造物付着を認め, 弁尖の可動性はほぼ消失していた. 薬物療法では心不全がコントロールできず, 大動脈弁再置換術(Magna19mm)と三尖弁置換術(Epic25mm)を施行した. 術中所見では大動脈弁位人工弁の左室側には広範にパンヌスが形成され, 三尖弁においても人工弁輪から弁尖にかけてパンヌスで完全に覆われていた. 術後経過は良好で, 心不全症状は改善し, 体重も入院時の43kgから36kgまで減少した. 術後24日でリハビリ目的の転院となった.
【考察】
大動脈弁位Mitroflowの人工弁機能不全は5年間で1%未満と報告されていたが, 近年19mmのMitroflowでは早期に人工弁機能不全を呈する症例が報告されており, 注意が必要である. 本症例は, 術後24ヶ月で大動脈弁位生体弁のみならず, 三尖弁輪から弁尖に広範にパンヌスを形成し, 手術を要した非常に稀な症例であった.