Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 その他
頭頸部

(S787)

頭頸部皮膚悪性腫瘍7例の超音波所見

Ultrasonograpyic findings in the malignant skin lesions of head and neck

佐次田 保徳

Yasunori SASHIDA

沖縄県立北部病院形成外科

Department of Plastic Surgery, Okinawa Hokubu Prefectural Hospital

キーワード :

表在の超音波検査装置の改良は目覚ましく,皮膚病変への適応も散見される.今回我々は,頭頸部領域の皮膚悪性腫瘍7例の超音波所見の検討を行った.症例は37歳から88歳,男性6人,女性1人で,全例病理診断を得ている.診断の内訳は,基底細胞癌3例,頭皮原発嚢胞性腺癌1例,皮膚繊維肉腫1例,腎臓癌頭皮転移1例,上顎癌の皮膚浸潤1例であった.長径8.8mmから50mmの大きさであった.内部エコーは全例で低輝度であった.境界は全例で明瞭であったが,上眼瞼基底細胞癌,鼻部基底細胞癌,頭皮嚢胞性腺癌,腎癌頭皮転移の4例で平滑,頭皮基底細胞癌,頭皮線維肉腫,上顎癌浸潤の3例で粗となっていた.線維肉腫,上顎癌浸潤の2例で,腫瘍内血流信号の増大を示した.悪性腫瘍となると取り扱いが良性に比べてより煩雑で,時に拡大切除を要し,転移を念頭に置いた加療も必要となり,また,化学療法を優先させる必要も出てくることがある.全例で示されたように,低輝度であることは悪性腫瘍の特徴の一つであり,また,超音波検査による腫瘍の大きさと存在部位の診断,内部エコー,境界の状態,血流信号の把握は大きな手掛かりとなる.頭皮基底細胞癌の1例は,脂漏性角化症の診断にて他院皮膚科から紹介されてきたが,厚みと形状を超音波により把握し,悪性腫瘍の可能性を念頭に置いた取り扱いが初療から行えた.しかし,超音波単独で,悪性の診断は難しいことも多く,他の画像検査や生検を必要とすることも多い.