Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 その他
眼科その他

(S779)

Computerized US simulatorを用いた救急超音波シミュレーションコースの取り組み

Emergency ultrasound simulation course using computerized ultrasound simulator

谷口 隼人, 本多 英喜

Hayato TANIGUCHI, Hideki HONDA

1横須賀共済病院救命救急センター, 2横須賀市立うわまち病院救命救急センター, 3横浜市立大学救急医学教室

1Department of critical care and emergency medicine, Yokosuka kyousai hospital, 2Department of critical care and emergency medicine, Yokosuka Uwamachi hospital, 3Department of critical care and emergency medicine, Yokohama City University

キーワード :

【背景】
超音波検査は,Point of careの考えに沿って臨床現場で判断を下す際に有用である.特に救急診療においては,患者の緊急度を意識し,迅速に臨床判断を下すことが求められ,救急診療における超音波検査の適応(以下:救急超音波診)の理解には,シミュレーション教育が適していると考えられる.我々は,救急超音波シミュレーションコースの開発を2014年から取り組み,今までに13回開催している.内容としては,シミュレーションの中で救急超音波診を体験し,理解するコースである.第8回目までは生体モデルを利用していたが,第9回目以降は,computerized ultrasound simulator(以下:シミュレーター)を用いたコースを開催している.
【目的】
当コースにおいて,シミュレーター導入による受講生への学習理解の影響について検討する.
【方法】
受講生アンケートを基にシミュレーター導入前後の受講生の感想,コース満足度,救急超音波診への理解度について検討した.アンケート形式は5段階のLikert−scaleを用いた.
【結果】
対象となった受講生は78人(内訳:初期期研修医72名,後期研修医4名,スタッフ2名)であり,導入前39件と導入後39件のアンケートを評価した.コースの満足度は,導入前(4.6±0.6点)・導入後(4.9±0.2点) で有意差を認めた(p<0.05).救急超音波診への理解度については,導入前(4.4±0.6点)・導入後(4.8±0.4点)で有意差を認めた(p<0.05).シミュレーターについてはすべての受講生が5点と評価した.
【考察】
シミュレーター導入は,受講生への学習理解に影響を与え,コースの満足度を上げる結果となった.本結果は,シミュレーター導入により,生体モデル利用時よりも忠実に救急超音波診を体験することができ,当コースの目的が理解しやすくなったためと考えられる.
【結語】
我々が開発した救急超音波シミュレーションコースにおいて,シミュレーター導入は,受講生の学習理解向上に有用であることが示唆された.