Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 消化器
エラストグラフィ 1

(S678)

超音波Shear Wave Elastographyによるフォローアップ─MR Elastographyとの比較検討─

Follow up of liver stiffness in patients with chronic liver disease by US Shear Wave Elastography and MR Elastography

鈴木 康秋, 上原 恭子, 久野木 健仁, 藤林 周吾, 芹川 真哉, 長嶋 裕美

Yasuaki SUZUKI, Kyouko UEHARA, Takehito KUNOGI, Syugo FUJIBAYASI, Shinya SERIKAWA, Hiromi NAGASHIMA

1名寄市立総合病院消化器内科, 2GEヘルスケア・ジャパン株式会社超音波本部

1Gastroenterology, Nayoro City General Hospital, 2Ultrasound, GE Healthcare

キーワード :

【はじめに】
近年,非侵襲的肝線維化評価法として,超音波やMRIを用いたElastographyによる肝硬度測定が注目されている.今回我々は,慢性肝疾患の2年後再評価として,同時期に超音波Shear Wave Elastography(SWE)とMREを施行したので報告する.【対象】
SWEとMREを2年間の間隔をおいて同時期に施行した慢性肝疾患患者56例(年齢中央値63歳).内訳はC型肝炎14,NAFLD 25,B型肝炎6,アルコール性肝障害7,その他4例.【方法】
SWEはGE Healthcare社LOGIQ E9,MREはGE Healthcare社Optima MR450w 1.5Tで測定.SWE肝弾性度とMRE肝弾性度,ALT,線維化バイオマーカー(血小板数,4型collagen 7S,FIB4 index,M2BPGi)の相関,SWE・MRE肝弾性度変化度の一致率,治療効果とSWE・MRE肝弾性度変化率の関連を検討した.【結果】
1,SWEは,初回評価,2年後再評価時のいずれもMREと強く相関した.2,SWEは,血小板数,4型collagen 7S ,FIB4 index,M2BPGiと相関を示した.ALTとは相関しなかった.3,初回評価SWE 8.1 kPa,MRE 3.2 kPa,2年後再評価SWE 6.7 kPa,MRE 2.6 kPaとそれぞれ有意に低下した.前値より30%以上低下(改善),前値より上昇(増悪),それ以外(不変)に分けると,MRE改善13例中SWE改善9,不変1,増悪3例であった.MRE不変37例中SWE改善11,不変24,増悪2例で,MRE増悪6例はSWEも全例増悪し,MRE・SWE変化度の一致率は70%であった.疾患別ではC型肝炎86%,NAFLD 56%とNAFLDの一致率が低い傾向であった.4,C型肝炎では,DAAs治療によるSVR群(4例)が初回評価SWE 11.3 kPa,MRE 3.3 kPa,治療後再評価SWE 5.9 kPa,MRE 2.2 kPa,others(10例)が初回評価SWE 11.8 kPa,MRE 4.8 kPa,治療後再評価SWE 8.0 kPa,MRE 4.0 kPaであった.SVR群の改善度はSWE 47%,MRE 33%と,others(SWE 18%,MRE 11%)より有意に高かった.5,NAFLDでは,各種治療によるALT低下群(9例)が初回評価SWE 8.5 kPa,MRE 3.4 kPa,治療後再評価SWE 5.5 kPa,MRE 2.47kPa,ALT非低下群(16例)が初回評価SWE 6.5 kPa,MRE 2.7 kPa,治療後再評価SWE 5.6 kPa,MRE 2.5 kPaであった.ALT低下群の改善度はSWE 38%,MRE 13%,非低下群はSWE 10%,MRE 13%と,SWEとMREで違いを認めた.【まとめ】
超音波SWE肝弾性度はMREと強く相関するが,治療後経過の変化度の一致率は70%であり,C型肝炎とNAFLDではSWEとMREの治療後経過に違いを認めた