Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

一般口演 消化器
肝臓/その他

(S676)

当院における,fusion-imagingを応用した腹部超音波技術均てん化への取り組み

Technical approach of equal accessibility of abdominal ultrasonography applied fusion-imaging

三好 謙一, 永原 蘭, 松木 由佳子, 山根 昌史, 的野 智光, 磯本 一, 孝田 雅彦

Kenichi MIYOSHI, Ran NAGAHARA, Yukako MATSUKI, Masahumi YAMANE, Tomomitsu MATONO, Hajime ISOMOTO, Masahiko KODA

1鳥取大学医学部附属病院機能病態内科学, 2日野病院内科

1Department of multidisciplinary internal medicine, Tottori university school of medicine, 2internal medicine, Hino hospital

キーワード :

体外式腹部超音波検査は1つの検査機器で複数の臓器を安全・安価にスクリーニング可能であり,様々な施設において上腹部検査の第1選択として施行されている.しかしながら実施方法の明確な基準がないことや装置・施行者の技術に依存する側面が強く精度管理が行えない問題を有していた.2014年4月に日本消化器がん検診学会,日本超音波医学会,日本人間ドック学会の3学会共通で腹部超音波検診判定マニュアルが発表され,実施方法における質的管理については統一化が図られた.各臓器の描出や病変の検出については各地で講演やハンズオンが開催されており,我々も院内勉強会や医師会と連携した研究会を通じて施行者のスキルアップを推進している.特に若手ソノグラファーにおいて問題となる点として,単純な腹部解剖のみならず超音波における画像解剖の受け入れにくさが挙げられる.即ちCTのように全症例において臓器の全体像を同一断面で客観視することが不可能であるため,施行者は減衰・アーチファクトによる死角を伴う任意断面の組み合わせにより主観的に判定する必要があり,客観的なフィードバックが得られにくいという問題がある.fusion-imagingは磁場下に発生させた3次元画像データを超音波探触子で任意断面として描出するシステムであり,実際の超音波画像と同期させることが可能である.本機能を応用し,CTやMRIの3次元データと同期させることで,超音波画像における死角を補完した客観的な画像解剖の認識が可能となる.また超音波による3次元データと同期させることで,複数断面による死角の補完や体位変換に伴う臓器移動及びそれによる描出条件の変化を画像化可能となる.これらは複雑な超音波解剖や体位変換の意義を理解することに有用と考える.今回我々は,fusion-imagingを応用し得られた動画供覧を含め,勉強会・研究会を通じた当院における腹部超音波技術の向上及び均てん化への取り組みを紹介する.
(図)US-US fusion-imagingによる死角補完の画像化(左:肋間走査,右:肋弓下走査でのfusion-imaging)