英文誌(2004-)
特別プログラム・知を究める 血管
シンポジウム 血管2 深部静脈血栓症診療にエコーをどう活かすか
(S449)
DVTエコーを習得するためのコツ
Point of learning to DVT US
高井 洋次
Hiroji TAKAI
藤田保健衛生大学病院放射線部
Department of radiology, Fujita health university hospital
キーワード :
【はじめに】
DVT(Deep vein thrombosis:深部静脈血栓症)評価を目的とした下肢静脈超音波検査(以下,DVTエコー)は下肢腫脹や肺塞栓症状出現時の有症状時のみならず,医療安全としての術前評価としての検査数が増加の一途をたどっている.日々の業務においてかなりのウエイトを占めつつあるDVTエコー検査を行える人を教育し,効率よく検査をこなしていく必要がある.
【目的】
DVTエコーのスキルを習得し,効率よく検査を進めるためのコツを伝える.
【必要な知識】
エコー検査全般に言えることではあるが,エコーにおいてはCTやMRIのように一定範囲を客観的にみられる狭義での「全体像」を記録することは難しい.そのため,検査者は目的となる静脈の走行や位置関係を十分に理解しておかねばならない.
超音波装置の調整は初期設定のままでは十分でないこともある.明瞭に描出されない時などは都度画像調整を行い観察しやすい環境を整えなければならない.そのためには超音波装置の取り扱いや画像の成り立ちを理解する必要がある.
下肢静脈に限って言えば,静脈の生理についても理解しておくと,より精度の高い検査結果につながると考える.具体的には,静脈はホルモンなどによる生理的な調節は行われておらず,体位や呼吸状態,圧排などの影響を受けやすいということである.
【おわりに】
解剖・整理,超音波装置の特性や扱い方といった超音波検査全般に共通する知識を習得のポイント,技術的なポイントを交えてお話ししていきたい.