Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

特別プログラム・知を究める 消化器
パネルディスカッション 消化器1 膵臓 現行膵癌超音波診断基準の見直し

(S318)

膵癌(通常型と特殊型)の超音波診断能と所見の特徴

Ultrasound diagnostic ability and findings of pancreatic cancer (normal type and special type)

橋本 千樹, 川部 直人, 中野 卓二, 中岡 和徳, 野村 小百合, 市野 直浩, 西川 徹, 杉山 博子, 刑部 恵介, 吉岡 健太郎

Senju HASHIMOTO, Naoto KAWABE, Takuji NAKANO, Kazunori NAKAOKA, Sayuri NOMURA, Naohiro ICHINO, Toru NISHIKAWA, Hiroko SUGIYAMA, Keisuke OSAKABE, Kentarou YOSHIOKA

1藤田保健衛生大学肝胆膵内科, 2藤田保健衛生大学病院臨床検査部

1Department of Liver, Biliary Tract and Pancreas Diseases, Fujita Health University School of Medicine, 2Department of Clinical laboratory, Fujita Health University Hospital

キーワード :

【目的】
検討1:通常型膵癌の超音波診断能の検討と超音波所見の特徴を膵癌超音波診断基準に準じて検討すること.
検討2:特殊型として膵神経内分泌腫瘍(pNEN)と充実性偽乳頭状腫瘍(SPT)の超音波所見の特徴を膵癌超音波診断基準に準じて検討すること.
【対象】
検討1:2016年4月から2017年3月までに当院で腹部体外式超音波検査を行った通常型膵癌患者83例.検討2:2012年4月から2017年3月までに当院で腹部体外式超音波検査を行ったpNEN11例, SPN5例.
【方法】
患者の性別,年齢,腫瘍部位,腫瘍描出能,超音波所見につきレトロスペクティブに検討した.
【結果1】
男性45例,女性38例.平均年齢71歳.膵頭部52例,膵体部17例,膵尾部14例.USで腫瘍の描出が可能であったのは64例(77%)であった.部位別では膵頭部43/52例(83%),膵体部12/17例(71%),尾部9/14(64%)であった.腫瘍の大きさは中央値29mm(15 57).描出された腫瘍は,49例(77%)が輪郭明瞭~やや不明瞭で,うち輪郭不整所見は45例(92%)で認めた.内部エコーは全例が低エコーで,均一~やや不均一所見は60例(94%)で認めた.
USで腫瘍描出不能は19例(23%)あり,部位別では膵頭部9/52例(17%),膵体部5/17例(29%),膵尾部5/14例(36%)であった.腫瘍の大きさは中央値20mm(13 32),間接所見は主膵管拡張10例,膵嚢胞4例,石灰化1例,所見なし6例であった.間接所見も認めなかった6例の腫瘍の部位は鈎状突起1例,膵体部1例,膵尾部4例であった.
【結果2】
pNEN:男性7例,女性4例.年齢中央値62歳.膵頭部7例,膵体部3例,膵尾部1例.腫瘍の大きさは中央値20mm(865).大きさ20mm以下の腫瘍は6例あったが,全例が輪郭明瞭で整,内部エコーは低エコーで均一であった.21mm以上の腫瘍は5例あったが,2例が輪郭不整,3例が内部エコー不均一,3例で主膵管の拡張を認め,膵管癌との鑑別が困難であった.
SPN:女性5例.年齢中央値40歳.膵頭部3例,膵体部1例,膵尾部1例.腫瘍の大きさは中央値33mm(954).全例が輪郭明瞭で整,4例が低エコーで不均一であった.
【考察】
通常型膵癌は77%がUSで描出可能であった.腫瘍の描出が困難な場合でも,膵管拡張などの間接所見が重要である.しかし,膵尾部の病変は,間接所見もないため注意が必要である.
pNENでは大きさが21mm以上の病変は,非典型的な所見をとることが多くUSでの確定診断が困難なことがある.SPNはpNENより内部エコーが不均一な症例が多いが,pNENとの鑑別が困難な場合もある.より正確な超音波診断のためには造影USやEUS-FNAが必要と考えられる.