Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

特別プログラム・知を究める 基礎
パネルディスカッション 基礎1 IMT計測の自動化と精度管理

(S237)

ファントムを用いたIMTの装置間差異

Vender Difference in Intimal-Media Thickness Measurements using Ultrasonographic Phantom

石津 智子

Tomoko ISHIZU

筑波大学臨床検査医学

Department of Clinical Laboratory Medicine, University of Tsukuba

キーワード :

【背景】
体表超音波診断装置により計測される総頸動脈内中膜厚(IMT)は,早期動脈硬化指標として,疾患発症の独立した危険因子であることが大規模前向き研究によって示され,代表的な動脈硬化臨床指標としてその意義が確立されている.2017年,本学会による頸動脈IMT評価法の標準的評価法では健常者30代から70代の健常者の総頸動脈IMT基準値はおおよそ0.1×(年齢10歳ごと)+0.2(mm)であることが示され,IMT計測では0.1mm単位の精度を要することが確認された.
【目的】
IMT計測における装置間差異をIMTファントムにより検証すること
【方法】
国内市販超音波診断装置全8社の協力を得てIMTファントムの計測を行った.頸動脈深部壁IMTのオフライン自動解析ソフトCarotidAnalyzer,各社搭載の自動解析機能を用い装置間差を調査した.
【結果】
第一世代IMT板状ファントムでは,Far wallでの内腔―内膜境界に一致する高エコー,さらに中膜外膜境界に一致する高エコーが認識できた.機種により高信号幅,主な信号の上下に淡い超音波信号が認められるなどの差異があることが視認できた.CarotidAnalyzerによる自動トレース結果では,8社間の計測値の範囲は0.30mm,4分位範囲は0.03mmであった.第一世代ファントムでは,装置搭載IMT自動計測が,IMTと認識したものは8社中2社のみであった.
より生体に近い第2世代IMTファントムでは全社で装置搭載自動計測が可能であった.8社間の計測値の範囲はCarotidAnalyzer解析,装置搭載自動計測でそれぞれ0.11mm,0.17mm,4分位範囲は0.07mm,0.08mmであった.さらに改良した第3世代ファントムではCarotidAnalyzer解析,装置搭載自動トレースでは,8社間の計測値の範囲はそれぞれ0.16mm,0.08mm,4分位範囲は0.06mm,0.06mmであった.また,健常人IMTの計測ではCarotidAnalyzer解析,装置搭載自動トレースでは,8社間の計測値の範囲はそれぞれ0.21mm,0.08mm,4分位範囲は0.12mm,0.02mmであった.
【結論】
本研究では生体とほぼ同様の解析結果をえられる第3世代ファントムが作成された.許容される装置間差を0.10mmと定義すると,第3世代IMTファントムに装置搭載の自動計測を用いた場合は装置間差0.08mmであり,かろうじて許容値以下であった.装置搭載IMT自動トレースはオフラインIMTトレースソフトと比較し,装置間の差異を半減させた.