Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

特別プログラム・知を究める 基礎
シンポジウム 基礎5 光と超音波の融合による定量診断・機能イメージング技術

(S225)

光音響画像により癌診断を可能にするための定量・機能解析

Quantitative and qualitative analyses of photoacoustic imaging for cancer detection

石原 美弥, 大川 晋平, 堀口 明男, 新地 祐介, 新本 弘, 津田 均, 広田 和弘, 入澤 覚, 和田 隆亜, 浅野 友彦

Miya ISHIHARA, Shinpei OKAWA, Akio HORIGUCHI, Masayuki SHINCHI, Hiroshi SHINMOTO, Hitoshi TSUDA, Kazuhiro HIROTA, Kaku IRISAWA, Takatsugu WADA, Tomohiko ASANO

1防衛医科大学校医用工学講座, 2防衛医科大学校泌尿器科学講座, 3防衛医科大学校放射線医学講座, 4防衛医科大学校病態病理学講座, 5富士フイルム株式会社R&D統括本部メディカルシステム開発センター

1Department of Medical Engineering, National Defense Medical College, 2Department of Urology, National Defense Medical College, 3Department of Radiology, National Defense Medical College, 4Department of Basic Pathology, National Defense Medical College, 5Medical Systems Research & Development Center, Fujifilm Corporation

キーワード :

 光音響イメージングは,光吸収に基づく熱弾性過程を経て音響波が発生する現象を利用する.光を吸収した物質から音響波を発生させ,この音響波を検出し,信号の発生源が特定される.これにより,光吸収体の位置情報を取得することができる.これが光音響イメージングの原理である.生体の散乱係数が光と比較して3桁程度小さい超音波を検出信号とすることで,生体透過性が向上する利点があり,光イメージング技術の中では,より深部まで可視化できる特徴がある.
 主な生体内の光吸収体に血液中のヘモグロビンがある.腫瘍に酸素や栄養を供給する腫瘍血管新生や血管構造の不安定化はがんの再発や転移に関連することから,その重要性が着目されている.
 光音響イメージングでは,超音波探触子を用いて光音響信号を検出する場合には検出周波数が重要なパラメータとなるように,光音響信号を励起する光側の条件には,光の波長や強度,照射面積,パルス幅などのパラメータがあり,撮像対象である生体の光学特性(吸収係数,散乱係数)によって,これらの最適値が決まる.
 本発表では,生体の光学特性に基づく光音響信号の解析の必要性について,および,光音響イメージングがangiogenesis imagingとしての有用性を示すための解析について,講演する.
謝辞
 本研究の一部は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援によって行われた.