Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2018 - Vol.45

Vol.45 No.Supplement

特別プログラム・知を究める 基礎
シンポジウム 基礎3 未開拓領域

(S217)

空中ドプラ計測という新しい領域,特に外測ウロダイナミクス計測について

Airborne Doppler Measurement, A Novel Modality Represents by External Urodynamics Study

松本 成史, 竹内 康人

Seiji MATUSMOTO, Yasuhito TAKEUCHI

1旭川医科大学病院臨床研究支援センター, 2旭川医科大学脳機能医工学研究センター

1Clinical Research Support Center, Asahikawa Medical University Hospital, 2Research Center for Brain Function and Medical Engineering, Asahikawa Medical University

キーワード :

 これまで本学会の基本理念には生体内部における超音波による計測,イメージング,加療という暗黙の大前提があったように思われる.が,著者らは体外すなわち空中におけるドプラ計測系を構築・開発し,技術の全体像とアプリケーションを自家薬婁中の物事と成し,知材権利の確保(2)およびテストマーケティングのレベルの商用化を実施した.その代表的な応用例は非接触・無拘束な外部尿流計測であり,放尿され空中を走行する尿滴列を波長が数mmのコヒ−レント照射によりCWドプラ観測する.ドプラ観測システム全体は指嵌め型のウエアラブルデバイスになっている.得られたドプラ信号は数十ないし数百Hzの低域オーディオ領域にあり,信号のスペクトラムおよび経時的な性質は体内における静脈血流などに酷似し,スペクトラムの尾根をトレスする事で従来概念の尿流曲線と診断上コンパチブルなグラフが得られ,また信号パワーが反射源の量を意味するので適切な索表換算と積分で排出量総量の近似計測が出来る.これによりカテーテル式やメスカップ式の尿流計測では実現出来ない無侵襲・無拘束・軽薄短小な外測ウロダイナミクスシステムが構築出来る.本発表においてはこの技術とアプリケーションの全体像(1)を紹介するとともに,この新領域も本学会のカバーすべき領域である事を述べる.尚,この空中ドプラ計測には空中超音波とミリ波電磁波がコンパチブルに採用出来,各々の得失に応じて使い分ける事が出来る.図においてそれら両方式により同時に観測した1つの尿流のドプラ信号のスペクトラムの例を示す.
(1)単行本「パーソナルヘルスケア」,pp117-128, NTS出版,2013年
(2)特許第5553315号,鹿児島大学,旭川医科大学