Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 乳腺(JABTS)
検診

(S588)

乳がん検診受診率向上へ向けての取り組み

Action for the breast cancer examination consultation rate improvement

瀬音 尚美, 吉田 和美, 北﨑 真由美, 中津 卓郎

Naomi SEOTO, Kazumi YOSHIDA, Mayumi KITAZAKI, Takao NAKATU

球磨郡公立多良木病院企業団総合健診センター「コスモ」

Taragi Municipal Hospital, General Medical Examination Center

キーワード :

【はじめに】
当センターでは乳がん検診受診率向上に向け2012年から地域圏内の働く女性や子育て世代の女性が日曜日に乳がん検診を受けられるよう「ジャパンマンモグラフィーサンデー(以下JMS)」に賛同している.今回JMSのアンケートを基に受診環境作りに努め乳がん啓発活動を行ってきたので報告する.
【対象・方法】
対象者は2012年から2016年の5年間のJMS受診者194名に以下7項目のアンケートを行った.1,受診頻度2.年齢 3.職業 4.受診理由 5.JMSを何で知ったか 6.これから受診するか 7.受診しやすい環境や要望等
【結果】
アンケート対象者194名 回答者193名 回答率99%
受診頻度:数年前32%,初めて26%,毎年26%,2年に1度10%,その他4%
平均年齢:48.9歳(20代6%,30代23%,40代26%,50代23%,60代12%,70代9%,80代3%)
職業:就業中69%,専業主婦14%,その他7%,無職8%,未回答2%
受診した理由(複数回答):日曜日だから97人,不安がある46人,予防のため29人,無料クーポン22人,JMSを知って15人,家族・友人・職場のすすめ18人,住民検診2人,町の健診を受け忘れた3人,その他7人
JMSを何で知ったか:広報誌・回覧57%,病院のポスター13%,情報紙8%,家族友人9%,職場3%,その他7%,未回答3%,ホームページ1%
これからも受診するか:受診する60%,受診しない1%,機会を見て36%,未回答3%
受診しやすい環境とは:日曜日検診を作ってほしい143人,スタッフは全て女性が良い136人,自己検診の普及14人,啓発活動の実施9人,子供同伴7人,受診期間を冬にも2人
【考察】
数年前・初めて乳がん検診を受けた方が58%と多く乳がん検診受診のきっかけになった.
受診者の平均年齢は48.9歳と日本人女性の乳がんのピーク年齢層である.今後1人でも多くの方が受診できるよう環境作りに努める必要がある.
2015年より子供同伴で受診できるようキッズコーナーを設け安心して受診できたと好評を得ている.このことは私たち技師にとっても検査に集中でき受診者・検査側にもメリットが大きいと言えよう.
2013年より地域に出向き啓発活動や乳がんについて出前講座を行ってきている.出前講座では
乳がんの早期発見の必要性やデンブレスト対策,超音波検査においては死亡率減少効果が確認されてないがJ-STARTの結果を待つのと並行し乳がん検診そのものの利益と不利益を含めた有効性について説明し受診者に理解を得ている.この活動は少なくとも超音波検査士として乳がんについての知識を身につけ検査技術の向上に繋がっている.
【まとめ】
過疎化が進むなか地域圏内での受診者数増加は苦難であるが医療-行政-地域と連携をさらに深め受診率向上へ取り組む必要がある.また当センターにおいて超音波検査・マンモグラフィーで発見した乳がんの特徴を文献的考察を加え報告する.