Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 消化器
エラストグラフィ4

(S540)

汎用機LOGIQ S8におけるShear Wave Elastographyの測定

Measurement of Shear Wave Elastography in general purpose machine LOGIQ S8

小林 奈津子, 熊田 卓, 豊田 秀徳, 金森 明, 多田 俊史, 橋ノ口 信一, 片岡 咲, 小川 定信

Natsuko KOBAYASHI, Takashi KUMADA, Hidenori TOYODA, Akira KANAMORI, Toshifumi TADA, Shinichi HASHINOKUCHI, Saki KATAOKA, Sadanobu OGAWA

1大垣市民病院消化器内科, 2大垣市民病院診療検査科

1Gastroenterology, Ogaki Municipal Hospital, 2Clinical Laboratory Department, Ogaki Municipal Hospital

キーワード :

【目的】
MR Elastography(MRE)による慢性疾患に対する肝硬度の測定は,肝線維化の指標としてより客観性のある検査方法として確立されてきている.一方,超音波による肝硬度の測定は,測定方法が複数あり,装置や術者に依存することもある.今回,汎用装置のLOGIQ S8におけるShear Wave Elastography(SWE)に関して,各種肝線維化マーカーおよびMREとの比較・検討を行った.
【対象】
対象は当院においてC型慢性肝疾患に対してLOGIQ S8(GE社製)で安定した肝硬度の測定が施行され,さらにMRI(GE社製Discovery MR750W)でも肝硬度が測定された327例である.性別(男性/女性)は154/173例で,年齢は73(66-79)(中央値,四分位範囲)である.これらの症例において,SWEと肝線維化インデックス(FIB4-index,APRI,Forns index)および肝線維化マーカー(ヒアルロン酸およびM2BPGi)との比較検討を行った.さらにMREとの相関およびAixplorer(Super Sonic Imagine社製)との比較も検討した.SWEは経験のある超音波検査士2名が行い,右肋間で5回測定し,中央値を使用した.相関の検討はSpearmanの順位相関を使用した.
【結果】
(1)SWEは6.21(4.89-8.29)kPa,MREは3.20(2.60-4.60)kPaであった.(2)SWEとFIB-4 indexとの相関はr=0.545(p<0.001),APRIとの相関はr=0.586(p<0.001),Forns indexとの相関はr=0.555(p<0.001)であり,いずれも中等度の相関が認められた.(3)SWEとヒアルロン酸との相関はr=0.385(p<0.001)で弱い相関であった.またM2BPGiとの相関はr=0.62(p<0.001)であり,中等度の相関が認められた.(4)SWEとMREとの相関はr=0.821(p<0.001)であり,高い相関が認められた.(5)Aixplorerとの相関はr=0.908(p<0.001)であり,高い相関が認められた.(6)ALT30未満の症例において,SWEとMREとの相関はr=0.783(p<0.001)であり,ALT30以上の症例においてはr=0.834(p<0.001)であり,ALT値に関わらず高い相関が認められた.(7)FIB4 index 3.25未満の症例において,SWEとMREとの相関はr=0.672(p=0.021)で中等度の相関であったが,FIB4 index 3.25以上の症例においてはr=0.873(p<0.001)であり,高い相関が認められた.
【結論】
汎用機であるLOGIQ S8で得られたSWEは各種肝線維化マーカーと比較的良好な相関が認められた.さらにMREやAixplorerとの相関は良好であった.また肝の炎症を反映すると考えられるALT値に関係なく,MREとの高い相関が認められた.