Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 消化器
シンポジウム 消化器1 肝臓 脂肪性肝疾患の超音波臨床 ~up to date~

(S234)

非アルコール性脂肪肝疾患におけるMRIを用いた肝脂肪化及び肝線維化診断の有用性

MRI including elastography and PDFF is useful as non-invasive diagnostic method for predicting liver fibrosis and steatosis in NAFLD

今城 健人

Kento IMAJO

横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学

Department of gastroenterology and hepatology, Yokohama City University Graduate School of Medicine

キーワード :

【目的】
慢性肝疾患における病期診断はこれまで肝生検により行われてきたがサンプリングエラーという大きな問題が存在する.そのため治験などの主要評価項目を肝生検で得られた病理所見とすることに疑問を抱く.近年,我々は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)においてMRエラストグラフィ(MRE)及びIDEAL-IQ法を用いたproton density fat fraction(PDFF)が超音波エラストグラフィのtransient elastograhy(TE)よりも肝線維化及び肝脂肪化測定に有用であることを示した(Imajo et al. Gastroenterology 2016).その後,さらなる症例数の蓄積を得たためここで報告する.
【方法】
肝生検を行ったNAFLD患者237人及びcontrolとして脂肪肝のない9人に対して3テスラのMRI及びTE(フィブロスキャン502)を用いて測定を行った.TEは全例Mプローブを使用し,一部はXLプローブも併用した.肝生検組織の評価はBruntの分類を参照した.
【結果】
MRIは全例肝硬度及び肝脂肪化の定量が可能であった.肝硬度に関しては以前の報告と同様に,MREはTEに比し各stageの肝線維化診断能に優れていた.さらに,肝脂肪化に関しては,grade 0-3のPDFFは各々3.4,8.7,16.6及び22.8%,CAPでは220,265,295及び309dB/mと各々段階的に増加していた.Grade 0 vs 1-3,0-1 vs 2-3及び0-2 vs 3の鑑別で,PDFFはAUROCが各々0.96,0.88及び0.81,CAPは各々0.90,0.74及び0.72であった.NAFLD患者237例中25例が測定困難であり15例がBMI32以上の肥満,6例が腹部の術後,4例が腹水を有していた.XLプローブで測定可能であった32症例においては,測定率は向上するものの肝線維化,肝脂肪化の診断能はMREと比して劣っていた.
【結論】
NAFLD患者において,MRIはプローブに関わらずTEに比し,優れた肝線維化及び脂肪化の診断能を有することが示唆された.MRIは肝臓全体の評価ができることが利点であり,事実肝の任意の部位を検討できるメリットがある.TEはその簡便さが利点であるが,本検討でも示したように測定困難の患者も少なくない.本セッションではNAFLD診療におけるTEとMRIの位置づけを議論したい.