Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
健診

(S864)

健診におけるControlled Atenuation Parameter測定の有用性

The utility of the Controlled Atenuation Parameter measurement in a medical checkup

杉岡 陽介1, 三井 理恵1, 福原 延樹1, 加藤 倫卓3, 久保 明2, 竹田 義彦2

Yosuke SUGIOKA1, Rie MITSUI1, Nobuki FUKUHARA1, Michitaka KATO3, Akira KUBO2, Yoshihiko TAKEDA2

1医療法人財団百葉の会銀座医院検査科, 2医療法人財団百葉の会銀座医院内科, 3常葉大学健康科学部静岡理学療法学科

1Clinical Laboratoly, Ginza Hospital, Momoha Medical Corporation Foundation, 2Internal Medicine, Ginza Hospital, Momoha Medical Corporation Foundation, 3Faculty of Health Science, Shizuoka Physical Therapy, Tokoha University

キーワード :

【目的】
医療費削減を目的として2008年に始まったメタボ健診は,受診率や特定保健指導実施率などが低い健保組合に対しては国からの助成金が削減される.これにより,企業によっては数億円以上の助成削減による多大な支出を計上しなければならず,一般企業にとってメタボリックシンドローム(メタボ)対策は大きな課題となっている.また,メタボ受診者の多くは脂肪肝を併発することが多く,脂肪肝の定量化は腹囲では計測不能な内臓脂肪が優位なメタボの評価として有用である.近年,FibroScanによる測定値を解析し肝脂肪量を定量化するCAP(Controlled Atenuation Parameter)が開発され肝脂肪量と肝硬度との同時測定が可能なった.これにより,肝脂肪量の定量はメタボの評価を含む健診受診者の各種疾患リスクを評価するための新しい指標となり得る可能性がある.本研究の目的は,CAP値と健診で得られた各項目との関係性から,健診におけるCAP測定の有用性を検討したので報告する.
【対象】
対象は2014年6月から2015年11月までの間に銀座医院で人間ドックを受診しFibro Scanにより肝硬度およびCAPを測定した192名(男性113名,女性79名,平均年齢52±11歳)とした.C型肝炎ウイルスおよびB型肝炎ウイルスなどの肝疾患がある受診者は除外した.
【方法】
CAP値と人間ドックで得られた問診,血液検査,生理検査および放射線検査などの227項目について関連性を検討した.
【結果】
CAP値と相関を認めた項目は,BMI(r=0.623,P<0.0001),内臓脂肪(r=0.600,P<0.001),腹囲(r=0.562,P<0.001),Total-PAI-1(r=0.490,P<0.001),インスリン(r=0.410,P<0.001),sdLDL(r=0.400,P<0.001),高分子アディポネクチン(r=-382,P<0.002),遊離テストステロン(r=-380,P<0.042),ALT(r=0.374, P<0.001),TG(r=0.351,P<0.001),RLP-コレステロール(r= 0.330,P<0.004),尿酸(r=0.300,P<0.001),クレアチニン(r= 0.263,P<0.001)であった.
【考察】
CAPは,BMIや内臓脂肪量などメタボ診断基準項目との相関が良好であり,腹囲測定では計測不能な内臓脂肪が優位なメタボの評価として有用であると考えられた.またCAP値は,Total-PAI-1,sdLDL,RLP-コレステロール,高分子アディポネクチンとも相関する事から血栓性疾患や動脈硬化性疾患のリスク評価の指標としても有用と考えられる.さらに尿酸,クレアチニンそしてインスリンとも相関を示すことから腎機能やインスリン抵抗性との関連も示唆された.このことから,Fibro ScanによるCAP値の測定は,既存の健診の項目に加えて評価することにより,メタボに関連する疾患のリスク評価に有用であると考えられた.
【結論】
CAP値の測定は非侵襲的検査であり,健診における新しいリスク管理の指標として有用であると考えられる.