Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
血管

(S859)

超音波検査が有用であった血管性胸郭出口症候群の2症例

Validity of Ultrasonography in two patients with thoracic outlet syndrome

田端 強志1, 丹治 直映1, 佐々木 健1, 稲岡 努2, 清水 一寛3, 東丸 貴信3

Tsuyoshi TABATA1, Naoaki TANJI1, Takeshi SASAKI1, Tsutomu INAOKA2, Kazuhiro SHIMIZU3, Takanobu TOMARU3

1東邦大学医療センター佐倉病院生理機能検査部, 2東邦大学医療センター佐倉病院放射線科, 3東邦大学医療センター佐倉病院循環器センター

1Depertment of Clinical Physiology, Toho University Medical Center Sakura Hospital, 2Depertment of Radiology, Toho University Medical Center Sakura Hospital, 3Depertment of Cardiovascular Center, Toho University Medical Center Sakura Hospital

キーワード :

【はじめに】
胸郭出口症候群(TOS)は胸郭出口部における狭い空間で神経や血管が圧迫されて上肢の疼痛やしびれ,冷感などの症状が起こる疾患である.TOSは神経性,動脈性,静脈性に分類される.殆どが神経性で,血管性TOSは稀と言われている.今回我々は,当院で経験した血管性胸郭出口症候群の2症例を報告する.
【症例1】
59歳女性.主訴は左腕拳上による左腕の蒼白.はじめに上肢超音波検査を通常の下垂位で施行.左右共に鎖骨下動脈から橈骨動脈や尺骨動脈まで血流波形パターンは正常で左右差は認めなかった.次に左腕拳上で検査施行した.左肩関節過外転位90°で鎖骨下動脈にモザイクエコーを認め,血流速度は0.9m/secから2m/secへ上昇した.また,同側の上腕動脈の血流速波形パターンは明らかな狭窄後パターンを示した.日常生活に支障なく,自覚症状もないことから精査や手術は希望されず経過観察となった.
【症例2】
31歳男性.主訴は右上肢腫脹と疼痛.現病歴は1か月前から右肩の肩こりがありだんだん悪化していた.入浴後より右上肢腫脹が出現,痛みもあり腫脹の改善もないことから当院を紹介受診.上肢超音波検査で右鎖骨下静脈に血栓像を認め,ほぼ閉塞していた.胸部CTでは第1肋骨と鎖骨に挟まれる部位より末梢側に鎖骨下静脈の血栓閉塞を認めた.肺塞栓は認めなかった.アリクストラ,リクシアナによる抗凝固療法を施行した.3か月後,鎖骨下静脈の血栓は消失し,良好な開存を認めた.
【まとめ】
超音波検査は血管性胸郭出口症候群の診断の一助と経過観察に有用と思われる.